さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第15号
若者たちを魅了した「数学マジックショー」
秋山仁先生の数学教室に日本・アジアの高校生が参加
さくらサイエンス・ハイスクールプログラム(第2グループ)
国立研究開発法人科学技術振興機構
残りあと2日となった5月21日の午後、インドとマレーシアの高校生80名(インド50名、マレーシア30名)は、秋山仁・東京理科大教授の数学教室に参加しました。
国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれた同教室にはスーパーサイエンスハイスクールの茨城県立龍ヶ崎第一高校の生徒たち82名も加わりました。
若者たちに絶大な人気を誇る数学者、秋山先生は長髪にバンダナのいつものスタイルで舞台に登場。「ようこそスペクタクル・マス・マジックショーへ!」と数学教室らしからぬ楽しい雰囲気でスタートした授業に、高校生たちはいったいこれからなにが始まるのかと興味津々です。
まずは先生が立体三角錐をはさみで切って平面紙片にすると、何とそれがジクソウパズルになるという不思議な実演を見せてくれました。
次に「海老で鯛を釣る」という日本のことわざを引用しながら、紙で折ったエビを5つに切ると本当に鯛の形になってしまいます。さらに鉄棒の上のブタ(切頂八面体)が1回転すると、表面全体が内部に隠れるように裏返しになり、ハム(直方体)に変身する表裏逆転変身立体の実演など、小道具を次から次へと取り出して、まるでマジック・ショーを見ているようです。
高校生たちも手元に配られた細い紙テープで正方形をつくったり、ハートが2つ組み合わさった形をつくったりと、トポロジーの世界を楽しんでいます。さらに先生は四角や三角の穴が開く不思議なドリルの実演を見せてくれるなど、あっという間の2時間でした。
「何事も好きなことを続けるのが大切」と締めくくった先生は、最後にアコーデオンを弾きながら歌のプレゼントまでしてくれました。
「こんなに面白い数学教室は初めて」と語るインドの高校生や、「自分は文系だけど数学を勉強したくなった」と数学に目覚めた日本の高校生など、皆、秋山先生の体験教室に大満足でした。
授業の後は、日本とアジアの高校生たちの交流の時間です。日本の高校生たちも英語で一生懸命語りかけ、すぐに皆が打ち解けてメルアドを交換したり、写真を取り合ったりと、会場のあちこちで元気のよい声が飛び交っていました。