2015年度 活動レポート 第39号:前橋工科大学工学部・システム生体工学科 朱赤 教授

特別寄稿 第39号

生体信号を用いた人間支援ロボットシステムに関する共同研究

執筆者プロフィール

[氏名]:
朱赤
[所属・役職]:
前橋工科大学工学部・システム生体工学科教授
 
受入機関 前橋工科大学
送出し国・機関 中華人民共和国・南開大学
招へい学生数 9名
招へい教員などの数 1名
実施した期間 2015年9月7日(月)~26日(土)
 

1.さくらサイエンスプログラムのプログラムの目的について

前橋工科大学では、2015年9月7日(月)から2015年9月26日(土)まで、科学技術振興機構(JST)の国際交流支援事業「日本・アジア青少年サイエンス交流事業」(さくらサイエンスプログラム)の採択を受け、中国の南開大学から教員1名と大学院生9名を招待し、本学教員や学生とともに生体信号を用いた人間支援ロボットシステムに関する共同研究(以下、本プログラム)を行いました。

本プログラムは日中科学技術協力の強化と科学技術における二国間協力と交流の向上を行うことで、我々のロボット研究の成果を発表し、中国の若い優れた技術者を日本のロボットと生体信号の研究に参加することを促進し、現実的な問題を解決し、我々のロボット技術の急速な発展を目指します。

 
 
 

南開大学の段准教授や大学院生による研究内容を発表しました。

2.実施内容について

来校初日には、星学長に挨拶し、大学の見学を行い、到着の翌日から本学の朱教授ならびに朱研究室の院生・学生と共同で研究活動を行いました。

 
 
 

研究発表を通じ、活発な質疑が交わされ、学生同士の意見を交換しました。

毎日講義後は、数名ごとのグループに分かれ、各研究室にて本プログラム教員から指導を受け実験・実習を行いました。研究の現場にふれることで、ロボットと生体信号の分野の面白さがさらに伝わったようです。

実験の風景

修了式では前橋工科大学 朱教授から修了証書が手渡されました。

 
 
 

修了証書の授与

最後に、全員で記念撮影を取りました(南開大学招聘者一同および前橋工科大学朱研究室一同)

 

交流事業を終えて、南開大学の段准教授はじめ、招へいした大学院生の方々より、滞在を終えてのメッセージ(英語)と風情溢れる漢詩(中国語)をいただきました。

段准教授より

About the Visiting in Maebashi Institute of Technology

It is my great pleasure to visit Maebashi Institute of Technology in Japan, and met the president Hoshi (Fig. 1). During the visit in Professor ZHU's lab, we learned a lot of things. When I and Professor ZHU stood at the top of the mountain in Maebashi, we decided to do the cooperation research (Fig. 2).

Fig. 1 Welcome Meeting
Fig. 2 International Cooperation Starting Here

Acknowledgements

We would like to extend our sincere thanks to Japan-Asia Youth Exchange Program in Science (SAKURA Exchange Program in Science) administered by Japan Science and Technology Agency. We also express our thanks to Maebashi Institute of Technology to give this great chance. Last but not least, we would like to thank professor Chi ZHU and his lab members for their excellent cooperation and technical supports during this period

漢詩

前桥即景之一
孙沁璇
偶逢因缘巧,值此入扶桑。
雨落窗檐矮,风吹禾谷香。
盈盈秋尚浅,耿耿夜初长。
幸得同行路,苦乐常未央。

前桥即景之二
孙沁璇
几处尘嚣过,一时熙攘休。
远山映碧瓦,旷野载清流。
云散无寻处,巷曲可通幽?
常思行无迹,只身赴行舟。

3.今後の国際交流について

今回の20日間の交流を経て,日中科学技術協力の強化と科学技術における二国間協力と交流は一層強固になったと感じており,今回の活動に多大な支援を頂いたさくらサイエンスプログラムには深く感謝しています。

また,今後も同様に定期的な交流を続けていくことが重要であると強く感じています。出来るだけ多くの学生や若手教員に実際に体験してもらいたいです。特に交流に通じて、留学を希望する優秀な学生を受け入れる枠組みを確立することも重要と考えています。

4.さくらサイエンスプログラムに対する希望と期待

今回のプログラムを通じて、日中の学生と直接交流できたことは大変貴重な機会であると思います。このようなプログラムを通じて、相手の大学の教職員とも交流ができ、国際的なワークショップの作成が可能と考えられ、さらにさくらサイエンスプログラムには、相手国と日本が協力して実施する国際的な人材育成における協力体制の強化にも繋がります。日本の大学、大学教員と接触する機会を作ることは、日本への留学希望者を増やす最も近道であると思います。

さくらサイエンスプログラムが長期継続され、活動範囲を拡大しながら発展し、同様な支援活動を継続的に行ってくれることを強く願っています。