特別寄稿 第19号
横浜国立大学と新モンゴル高等学校が特別講義などで交流
日本の最先端科学技術と文化体験プログラムを実施
中村 文彦
執筆者プロフィール
- [氏名]:
- 中村 文彦
- [所属・役職]:
- 横浜国立大学副学長、国際戦略推進機構長
プログラム実施内容 | |||
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1日目 | 成田空港到着 | ||
2日目 | 開講式、オリエンテーション、日本の文化に関する講義および日本語授業 | ||
3日目 | 日本語授業、教育人間科学部・経済学部・経営学部の授業体験 | ||
4日目 | 理工学部の授業体験、理工学分野の研究室視察 | ||
5日目 | JAMSTEC、NEC視察 | ||
6日目 | 三菱みなとみらい博物館、東芝未来科学館視察 | ||
7日目 | 鎌倉・江ノ島視察 | ||
8日目 | 神奈川県立光陵高等学校視察・交流 | ||
9日目 | YNU学生とのワークショップ、成果報告会、閉講式 | ||
10日目 | 成田空港から帰国 |
1.実施内容
横浜国立大学国際戦略推進機構は、平成27年6月29日(月)から7月8日(水)まで、モンゴル国の新モンゴル高等学校から、高校生8人、教員1人を招聘しました。
「横浜国立大学・新モンゴル高等学校さくらサイエンスプログラム~日本の最先端科学技術と文化体験プログラム~」では、物理・化学・数学等理系分野を専攻している優秀な高校生を招き、本学の教員による特別講義の聴講、本学学生との意見交換、企業視察、日本の歴史や文化に触れるプログラムを通して、我が国の最先端科学技術と日本文化に触れることを目的として実施しました。
10日間の滞在の間、新モンゴル高等学校の高校生は、JAMSTEC(海洋研究開発機構)、富士通テクノロジーホール・富士通研究所、三菱みなとみらい技術館、東芝未来科学館を視察しました。また、神奈川県立光陵高等学校を1日訪問し、化学の授業体験、書道・茶道体験、模擬縁日体験も行いました。
2.交流の成果
2日目は、安濃田良成所長による歓迎の挨拶、モンゴル科学技術大学のErkhembayar Tseveen(エッケンバイヤール・ツェヴィーン)さんからの挨拶、泉による研究所の概要やスケジュール等のガイダンスの後、有田裕二副所長から「世界のエネルギー情勢と原子力の現状」と題した特別講義を実施した。その後はグループ写真撮影、研究所の主要な実験装置等を見学し、日本の大学の施設の整備状況や研究・教育環境について積極的な質問があった。
横浜国立大学内での活動では、四方田千恵教授による日本語の授業への参加、吉田昌平教授指導による居合道体験、薩本弥生教授と同ゼミ生の協力による浴衣の着付け体験、アンドラディ久美准教授による日本文化に関する講義を通じて日本文化を学びました。
また、経済学部・経営学部のゼミへの参加、理工学部の実験施設や研究室への訪問、14名の本学留学生とのグループディスカッションやモンゴル出身の本学留学生の指導を受けてのプレゼン資料作成を通して、多くの人との交流を深めました。
3.さくらサイエンスプログラムの効果について
さくらサイエンスプログラムに参加した高校生たちは、日本の最先端科学技術と文化に直に触れ、将来日本へ留学したい、また、日本で就職したいという希望を述べていました。また、受け入れた横浜国立大学の学生にとっても、海外からの高校生と接する機会を多く設けたことにより、異文化への理解が深まり、留学や海外で働くことの動機づけとなる良い機会となりました。
4.さくらサイエンスプログラムの今後の展望について
横浜国立大学では、今年度JSTさくらサイエンスプログラムの支援により、新モンゴル高等学校の他に、中国の北京師範大学、四川大学・香港理工大学、大連理工大学、上海交通大学から学生を招聘しました。また、3月上旬には新モンゴル工科大学からも学生を招聘する予定になっており、現在準備を進めています。
引き続き、次年度も多くのプログラムを申請し、アジアの大学・高等学校等と活発な交流活動を続けていきたいと考えています。平成26年度と今年度合わせて9件のプログラムがさくらサイエンスプログラムに採択され、多くの支援をいただき、大変ありがたく、感謝しております。