特別寄稿 第1号
疲れも忘れて、薬学、医学、医療、環境の現場で、初めて経験することに感動一杯
矢原正治
執筆者プロフィール
- [氏名]:
- 矢原 正治
- [所属・役職]:
- 熊本大学薬学部・さくらサイエンスプログラムプログラム
薬用資源エコフロンティアセンター学術研究員(客員教授)
8月2日~9日のプログラムの内容
【1日目】 | プログラム実施内容 | |
8月2日 | PM | ビエンチャン出発(19時、無事出発のメール、昨年の学生より入る) |
【2日目】 | AM | 福岡空港着(Devkota助教迎えに)、入国、高速バスで熊本大学薬学部へ移動、学部長表敬訪問(生協にて昼食) |
8月3日 | PM | 初めに(学部長挨拶)&プログラムの内容説明(宮本記念館カンファレンス)、薬学部の研究室施設見学・演習(甲斐教授、首藤准教授4) (ホテルで夕食) |
【3日目】 | AM | 薬学部の施設見学及び演習(三隅教授1、山縣教授2)(昼食:隣の寿司屋) |
8月4日 | PM | 薬学部の施設見学及び演習(渡邊教授、デブコタ助教3、4)、水前寺公園見学(熊本市内の環境調査)、 5)100円ショップで買い物 (ホテルで夕食) |
【4日目】 | AM | 薬学部の研究施設見学及び演習(生協で昼食)(大塚教授1、大槻教授2)(生協で昼食) |
8月5日 | PM | ラオス保健科学大学とは自己紹介など、・学生との交流(久恒准教授、メアリアン助教、デブコタ助教、大浦助教)、 宮本記念館2F和室で親睦会&夕食(参加者26名、内学生4名、一般4名) |
【5日目】 | AM | 保健学科&医学部発生医学研究所での演習・施設見学(西阪教授1、中村教授2)(医学部病院内で昼食) |
8月6日 | PM | 医学部臨床薬物動態学(薬剤部)施設見学(齋藤教授、城野准教授3)、市内環境衛生調査&熊本城等見学 熊本市国際交流会館(八木氏)(夕食:市内中心部で、熊本ラーメン) |
【6日目】 | AM | 国立水俣病総合研究センター(1、2)毛髪のメチル水銀測定など(松山)(新幹線で移動)(昼食:水俣海鮮チャンポン) |
8月7日 | PM | 資料館、水俣の海など(新幹線、レンタカー・車で移動)(赤木、松本)(ホテルで夕食) |
【7日目】 | AM | 山村地域の環境衛生等の見学、阿蘇地域(小型バスで移動)(昼食:高森田楽) |
8月8日 | PM | 山村地域の環境衛生等の見学、阿蘇地域(小型バスで移動)、(夕食バイバイパーティー(居酒屋)) |
【8日目】 | AM | ホテル発(5時30分)~味噌天神5時45分発、高速バス~福岡空港(矢原、北古賀さん見送りに) 帰国へ |
8月9日 | PM | ビエンチャン着(20時頃無事着)、メール入る |
1.実施内容
熊本大学薬学部は、さくらサイエンスプログラムプログラムの助成により、ラオスの首都ビエンチャンにある国立ラオス保健科学大学(医療系の国立大学)より、学生9名、教員1名を、8月2日~9日の8日間(移動2日、実質6日研修)招聘しました。
来日1日目、移動の疲れも見せず、到着後、学部長表敬訪問、学生との交流を兼ねて生協で昼食後、プログラムの説明をHari Devkota助教(副コーディネーター)から受け、構内を見学した。
14時30分から分野の実習・研究室見学を始める。基本的なことや最先端に関して、色々な機器を見、基本操作を実際に体験しました。遺伝子解析の電気泳動で、オートピペットを最初体験した時は、手が震えて巧くいかなかったようですが、回を重ねるごとに上達するのが見受けられました。
オートピペットなどの道具の数の多さ、見たことも無い機器に感動し、ビックリしたようで正しく「多くの感動を」得たようです。
8月3日~8日の6日間で、プログラム予定の11ヶ所の研究分野で、研修・実習・見学を行いました。お忙しい時に、お願いしたにも関わらず、快く「オール熊薬」で対応して下さった先生方に感謝致します。
国立水俣病総合研究センターでの「毛髪のメチル水銀濃度」の測定。水俣をコーディネートして下さった、赤木先生が作られた、簡易で出来る「赤木メソッド測定器」で、各自の毛髪でメチル水銀の測定を行い、2時間ほどで10名の結果が出ました。
そのうち、総水銀濃度が100ppmを越える1名の学生がいてビックリ(普通は5ppm以下)、再測定していただき、総水銀濃度が104ppm、 メチル水銀濃度が0.51ppmとわかり、原因は髪のカラーリングの髪染剤、化粧品の可能性があるため、髪染剤と化粧品をラオスから送ってもらい、調べることになっています。
ラオスでは、水銀を含む化粧品が流通しているようです。二次的被害が無いように調べて啓発する必要があるので、これを機に「簡単な共同研究」が成立しました。
昨年、さくらサイエンスで来熊した学生1名が熊本大学の大学院へ進学したい旨を言って来ています。今年のさくらサイエンスで来熊した3名の学生から大学院(薬学・医学)への進学を希望する頼もしい回答がありました。
また同行の先生も博士を取得するのを希望しておられ、可能なら熊薬に来て、博士を取得し、日本との良い繋がりを構築して下さればと思っています。
昨年に比べ、内容もバージョンアップし、感動も沢山あったのではと、毎日提出してくれるレポート、最終レポートを読み、最終日の笑顔を見て感じています。最後に、ご協力いただいた先生方、事務の方々、学生さんに感謝致します。
2.さくらサイエンスプログラムの効果について
3.さくらサイエンスプログラムの今後の展望、希望について
来年もお願いしたいとのラオス保健科学大学の意見です。もし可能なら、トライします。ネパール、ミャンマー等の国の学生、先生を「さくらサイエンスプログラム」で、招聘出来れば嬉しいです。来年から追加国に入れてほしいと思います。
熊本大学薬学部で、新たに、ミャンマー、カンボジア、フィリッピンの学生・研究者の招聘にトライしたいという意見もありました。ネパール、カンボジア、ミャンマーに毎年出かけている渡邊高志教授が私の後任で今年4月から来られました。「さくらサイエンスプログラム」の活用が、もっと発展するのではと思っています。また、甲斐学部長がフィリッピンの学生の招聘を考えておられるとのことでした。