2015年度 活動レポート 第269号:東北大学工学部

2015年度活動レポート(一般公募コース)第269号

中国清華大学の生徒が来日し東北大学で工学研修
東北大学工学部機械知能•航空工学科からの報告

東北大学工学部機械知能•航空工学科では、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、平成27年7月26日から8月3日までの9日間、中国清華大学附属中高校の生徒10名と引率の教員1名を招聘しました。

最先端機械工学研修を主なテーマとして、理学部、農学部の訪問や特に日本でも有名な東北大学オープンキャンパス見学を含め、企業や科学館の見学、宮城県仙台第三高等学校との交流、さらに日本文化や美しい景観にも触れてもらうプログラムを実行しました。

宮城県仙台第三高校の生徒との交流イベント
宮城県仙台第三高校の生徒との交流イベント
東北大学青葉山キャンパスにて
東北大学青葉山キャンパスにて

学内の工学研修では、東北大学工学部で行っている世界トップレベルの研究の一端として、宇宙探査工学、高速度画像処理、先端機能性材料創製の3つのテーマを設定しました。プログラムの実施にあたり来日前に参加生徒には,機械工学関係で東北大学で重点化して推進している研究課題のいくつかについて事前に調査してまとめ,国際機械工学コース在籍学生と大学教員の前で発表してもらうという試みも実施しました。

各研修テーマについて関連教員の講義を聴講した後,実際に体験実習を行うことで、研究内容についての理解も深まり、活発な質疑応答がなされました。また、オープンキャンパスの自由見学を1日設定したところ、事前学習の効果もあり、参加生徒の評価も非常に高いものがありました。

先端機械工学研修の講義
先端機械工学研修の講義

今回のプログラムの実施は、学部から博士課程まで一貫した英語教育を実現している国際機械工学コースを持つ工学研究科機械・知能系と工学部機械知能•航空工学科で主催し、2年後から実施予定の日本人にも開放する国際共修型コースへの拡充に向けた準備という位置づけにもしており、日本と中国の優秀な高校生の交流を通し両者を触発するという狙いも含まれています。このためプログラム期間中、国際機械工学コース在籍学生との懇談会も開催しました。

東北大学次世代移動体システム実験場を見学
東北大学次世代移動体システム実験場を見学
宮城県仙台第三高校の生徒との交流イベント
宮城県仙台第三高校の生徒との交流イベント

学外の活動で特筆すべきことは、JSTスーパーサイエンススクール(SSH)指定校の宮城県仙台第三高等学校との交流イベントでした。清華大学附属高校の皆さんにとって初めて日本人の高校生と接する機会でしたが、生徒同士はすぐに打ち解け交流が始まりました。互いの研究発表を聞いたり、高校のクラブ活動や勉強について和やかに話し合ったりして、充実した時間を共に過ごし大変楽しい,互いに記憶に残るイベントとなりました。

また、ソニー仙台&みやぎ復興パーク、東北電力仙台火力発電所の企業見学も皆さんにとって、非常に印象的でした。プログラムの後半には、東京に移り、浅草、お台場を観光して、日本科学未来館の見学は最後のイベントでした。

東北大学に保存されている魯迅階段教室
東北大学に保存されている魯迅階段教室
東北電力仙台火力発電所見学
東北電力仙台火力発電所見学

プログラムが終わった後、招聘先の責任者である清華大学附属高校の副校長と引率教員から、今回の訪問について参加者の体験談、習ったことをきちんとまとめて電子ブックやポスターにまとめ、全校生徒に大きくアピールしたという報告を受けました。東北大学あるいは日本の大学の素晴らしさが多くの生徒あるいはその父兄に広く伝わったものと期待しており,非常に有意義なプログラムとなったものと考えています。

日本科学未来館見学
日本科学未来館見学