2015年度活動レポート(一般公募コース)第262号
ベトナム国立農業大学獣医学部の研究者との交流プログラムで成果
京都産業大学からの報告
さくらサイエンスプログラムの助成による共同研究プログラムを2016年2月12日から21日まで京都産業大学で実施しました。参加者は、ベトナム国立農業大学獣医学部に所属する若手大学教員・研究員10名であり、以下の活動を経験しました。
1.生命科学に関わる研究の実施
本プログラムの共同研究は、より効率の良い研究環境を提供するために、参加者を3~4名ずつのグループに分け、以下の4つのコースにて行われました。 1)細胞生物学系 2)分子生物学系 3)感染症学系 4)実験動物系
細胞生物学系のコースでは、フローサイトメーターを使用し、がん幹細胞の同定などを行いました。また、NA-GFPトランスジェニックゼブラフィッシュの観察をし、ゼブラフィッシュを用いた実験・手法について検討を行いました。
分子生物学系のコースでは、遺伝子クローニングと培養細胞への導入を行いました。感染症学系のコースでは、ダニの捕獲と鑑別などフィールドワーク、及びウイルス分離とPCRによる同定を行い、実験動物系のコースでは、マウスの胚操作や受精卵の融解など、より実践的な手法で行われました。
研究活動は、担当教員に加えて、本学に在籍する若手研究者(ポスドク、研究員)、および大学院生、学部3・4年次生などと協力して行いました。在籍しているタイ、中国、インドからの大学院生、委託生も、研究交流に参加し、日常的なコミュニュケーションがはかられました。
2.島津製作所資料館・工場・研究所の見学
科学技術の分野で世界をリードしてきた島津製作所の資料館・工場・研究所を見学し、最先端の理化学器械、およびノーベル賞受賞者、田中耕一博士の研究成果などについての説明を受け、理解を深めました。
3.博士論文公聴会への参加
英語で発表を行う、タイからの留学生2名の博士論文公聴会に参加し、研究成果について、議論しました。
4.ポスターセッション
プログラム最終日に、ポスターセッションを開催しました。本学大学院生も、研究成果のポスター発表を英語で積極的に行い、議論し、相互刺激を受けました。さくらサイエンスプログラム参加者は、最新の研究に触れ、交流を深めるとともに、本学部で行われている実験方法紹介や研究内容を把握することができました。
参加者のHoang Minhさんは、プログラムの感想を次のとおり述べています。
「ベトナム国立農業大学では、普段あまり分子生物学的な研究を行っておらず、京都産業大学でのさくらサイエンスプログラムでは、興味のある様々な研究に触れ合うことができ、とても有意義であった。機会があれば、京都産業大学の大学院生として、また京都を訪れ、研究をしたい。」
総合生命科学部、工学研究科、生命科学研究科では、グローバル環境をさらに充実させるために、積極的に海外からの留学生の獲得を目指しています。さくらサイエンスプログラムに採択されたことにより、ベトナム国立農業大学から優秀な10名の研究者を招聘し、科学技術分野はもとより、京都文化にふれる体験等の交流も行うことができました。今後の共同研究や、相互への留学促進に向けた協働関係を築く機会となりました。