2015年度 活動レポート 第210号:ジャパンローヤルゼリー(株)

2015年度活動レポート(一般公募コース)第210号

養蜂と機能性健康食品に関する中国の研究者との学術交流
ジャパンローヤルゼリー(株)からの報告

ジャパンローヤルゼリーは、さくらサイエンスプログラムによる支援を受け、中国雲南農業大学より教員と学生合計10名の研究者を迎え、2016年3月2日~9日の日程で交流プログラムを実施しました。

今回のテーマは、養蜂技術と養蜂産業のあり方および機能性健康食品に関する学術交流でした。まずプログラム2日目と3日目には、当社蜂医科学研究所と宮城工場にて研究設備、研究方法ならびに品質の管理方法の見学と、弊社研究内容についての学術発表と交流を行いました。

2日目の午前には、蜂医科学研究所において、ローヤルゼリー・ハチミツの機能性についての研究と機能性健康食品の品質管理方法の現場視察を行いました。午後には、弊社創業者であるとともにミツバチ科学の研究者でもある山口喜久二より東日本大震災で深刻な津波被害を被った宮城県名取市の塩害田畑に於いて菜の花蜜源の造成と養蜂を実施している「ナタネによる東北復興プロジェクト」に関する発表を行い、その後、最高品質な蜂産品を生産するための独自理論とその方法「ミツバチの生態と山口喜久二式自然養蜂とその優位性」についてレクチャーを行いました。

3/3 蜂医科学研究所内の見学の様子
3/3 蜂医科学研究所内の見学の様子

また、弊社がこれまで行ってきたローヤルゼリーとハチミツの機能性に関する数々の研究成果について当社の学術顧問である藤井彰先生より解説を行って頂ました。一方、雲南農大の参加者の1名が「Phylogeographic analysis of Apis cerana populations on Hainan Island and southern mainland China : based on mitochondrial DNA sequences」というテーマで学術発表を行い、相互による学術交流を行いました。

3/3 学術交流会の様子
3/3 学術交流会の様子
3/3 学術交流会後の集合写真
3/3 学術交流会後の集合写真

3日目は、宮城県名取市にて菜の花蜜源と養蜂場の視察を行いました。

3/4 宮城県名取市 試験養蜂場での見学の様子
3/4 宮城県名取市 試験養蜂場での見学の様子

5日目は沖縄文化を体験する一日となりました。午前は、沖縄の海洋資源を紹介するため「美ら海水族館」の見学を行いました。雲南省には無い海の恵みを経験しながら、美しい海、多種な魚類や植物があることに感銘を受けていました。そこで、沖縄の海洋生物の多様性を確認しながら、内陸との違い、海の危険性を学んだとのことです。

3/6 沖縄美ら海水族館での集合写真
3/6 沖縄美ら海水族館での集合写真

午後は世界遺産である首里城を見学し、琉球王朝の歴史を学びながら中国との近似性はあるものの異文化の体験を終えました。

6日目は、当社の共同研究先である琉球大学を訪問し、午前中は医学部のシュミレーションセンターと再生医療研究センターの見学を行い、その後農学部のフィールド科学教育センターの視察を行いました。

3/7 琉球大学医学部シュミレーションセンター前での集合写真
3/7 琉球大学医学部シュミレーションセンター前での集合写真

午後からは、琉球大学農学部の先生方の協力のもと、「沖縄産栽培作物に発生する植物病害に関する研究」、「植物の抗カビ蛋白質の構造と機能」、「沖縄由来海洋生物資源からの有用生物活性物質の探索」、「黒糖と沖縄産食用植物の食品機能」、「紅麹菌の発酵とサイエンス」および「森林保全と地域活性化」という6つの研究テーマについて発表と討議を行いました。参加者からも数多くの質問が飛び出し熱のこもったセッションとなりました。

3/7 琉球大学農学部との学術発表会の様子
3/7 琉球大学農学部との学術発表会の様子

7日目は、交流成果発表会を行い、参加者それぞれが日本の文化や研究観点などについて、自分の体験と感想を述べました。参加された学生のお一人から「今回の研究交流会は日本の研究発想が自然の力で病害を退治すること、と廃棄物でも正しく応用すれば再利用できるはず、という観点に同感しました。ここは専門的に研究する皆様が勉強するべきところだと思います。また、日本の食文化、仕事に対する真摯な態度、また日本人の優しさをよく感じました。今回のさくらサイエンスプログラムに関わったすべての方々のご協力に感謝を申し上げます。」という暖かい言葉を頂き、発表会を終えました。

3/8 さくら修了書授与の様子
3/8 さくら修了書授与の様子
3/8 交流成果発表会での様子
3/8 交流成果発表会での様子