2015年度 活動レポート 第209号:堀場製作所

2015年度活動レポート(一般公募コース)第209号

北京市理化分析測試中心の研究員を招いて情報交換と実習
堀場製作所からの報告

今回でJSTさくらサイエンスプログラムによる招聘は3回目となりました。今回は、共同研究を行っている北京市理化分析測試中心のⅩ線計測分野における研究員2名を招聘し、中国での分析動向などの情報交換および弊社の最新Ⅹ線分析装置を用いた技術トレーニングを行うと共に、弊社の理化学製品の製造現場や琵琶湖に今年新たに建設したガス計測分野の開発・設計・生産を集約させたHORIBA BIWAKO E-HARBOR、更に公益財団法人京都高度技術研究所殿(ASTEM)、株式会社東レリサーチセンター様(以下、TRCと記載)を見学して頂き、分析技術に関するトータル知識を向上させ、研究所で行っている研究開発や受託分析などに役立ててもらうことを目的として実施しました。

実施時期は2016年3月6日~12日で、初日の7日は弊社の会社紹介、各事業紹介、理化学装置のpH製造現場&基板工場を見学後、午後からは公益財団法人京都高度技術研究所殿(ASTEM)を訪問し、京都におけるICT、ライフサイエンス、ナノテクノロジー等科学技術の諸分野で産学連携による研究開発現場を見学させて頂きました。

2日目と3日目では、弊社の蛍光Ⅹ線分析装置(XGT-7200、MESA-50、XGT-5200)とエネルギー分散型元素分析装置+電子顕微鏡(SEM/EMAX)を用いた原理説明からハード、ソフト説明および応用分析例の紹介と装置実習を行いました。

X線の原理説明
X線の原理説明

SEM/EMAXの実習では、画像処理の方法や最新ソフトの機能に関して、北京の現場と電話で確認しながら疑問を解消するなど熱心に技術習得されていました。本装置は、北京市理化分析測試中心にも設置されているため、研究員から現場分析で難しい試料の分析方法や分析条件の見つけ方などに関して、多くの質問があり弊社の技術者と現場レベルで有益な交流を行うことができました。

蛍光Ⅹ線元素装置(MESA-50)の実習では、誰でも簡単に試料の分析ができることから、身に着けていたネックレスが本物の金であるかを自分で分析を行い、18Kであったことに安心される場面もありました。

XRF装置実習
XRF装置実習

そして4日目の午前中は、TRC様の滋賀研究所を訪問し、最新装置を用いた材料分析のご紹介と研究所見学をさせて頂きました。この場をお借りして、TRCで見学対応して頂きました研究員の方々へ御礼申し上げます。

TRCの会社紹介
TRCの会社紹介
TRC研究所の見学
TRC研究所の見学

現在、北京市理化分析測試中心では、他の中国にある検査機関と同様に、生活関連の安全や環境に関する分析業務が中心で、具体的には食品の残留農薬や添加物、医薬品、玩具、更に河川水、飲料水、大気、土壌中の有害成分等を中国国家標準法(GB)に従って分析しています。

一方、TRC様では日本の各企業や東レ様からの材料解析や構造解析、異物分析などの要求に対して、現場の研究員らが自ら新しい分析法を研究開発し、独自の前処理や分析手法のレベルを上げる事で分析依頼先からの要求に応え業務拡大を図っていることに関して、今回訪日した研究員は大変感心した様子でした。

当日午後からは、上述の琵琶湖の湖西に有る弊社の新びわこ工場を見学して最新の設備と研究開発部署を見て頂きました。

堀場製作所 びわこ工場見学
堀場製作所 びわこ工場見学

5日目は研修のまとめが終了した後に、文化交流として京都の清水寺界隈、伏見稲荷神社などをレンタル着物を着て頂いて散策して頂きました。

最後になりましたが、来日された研究員からは、今後も継続した技術交流を実施して行きたく、本プログラムが有益であったと感謝の気持ちを頂きました。