2015年度活動レポート(一般公募コース)第208号
ベトナムの薬学生・薬学研究者が薬都・富山で学ぶ
富山大学和漢医薬学総合研究所からの報告
平成28年2月24日から3月1日まで「さくらサイエンスプログラム」により、ベトナム・フエ大学医学薬学部から2名の学生と3名の教員、ベトナム国立薬物研究所から6名の研究者が来日しました。
本プログラムでは、ベトナムの天然薬物研究を担う大学院生・若手研究者を短期招聘し、和漢薬をはじめとする我が国の最先端の伝統医薬研究に直接触れる機会を提供することにより、日越両国の若手研究者の天然薬物・伝統医薬研究に対するモチベーションを向上させ、人々の健康福祉に研究面から世界に貢献できる人材育成を狙うことを趣旨としました。
初日はオリエンテーションの後、和漢医薬学総合研究所長による本学および研究所の紹介が行われ、最後に本学附属病院の薬剤部を見学しました。また、本学の教職員を交えたウェルカムパーティーが行われました。
2日目は6名の教員により、資源開発・病態制御(病態生化学・消化管生理・複合薬物薬理)・臨床科学に関する特別講義が行われました。招へい者は真剣な表情で受講し、また積極的に質問をしていました。また、学長のサプライズ訪問もあり、招聘者は感銘を受けていました。
3日目は6つのグループに分かれ、それぞれの研究室で最先端研究の体験実習を行いました。本学の日本人学生もベトナムの招へい者をサポートしていました。
4日目は本学の民族薬物資料館を見学しました。その後、地元を代表する製薬会社「廣貫堂」で資料館を見学し、地元の老舗「池田屋安兵衛商店」で丸薬製造を体験し、薬都富山の歴史と伝統、そして「先用後利」の精神を肌で感じる1日となりました。
5日目は世界遺産五箇山を訪問しました。この時期には珍しく好天に恵まれ、学生たちは雪国富山の知恵と工夫を目の当たりにし、また初めて見る雪にとても感激していました。その後、金沢市内の兼六園およびひがし茶屋街を訪れ、北陸の美とおもてなしの心を実感しました。
最終日は3日目に引き続き、それぞれの研究室で体験実習を行いました。その後、修了式では門脇所長から1人ひとりに修了証が授与されました。また、アンケートでは全員が今回の訪日に対して「非常に満足」と答えていました。「さくらサイエンスプログラム」により、とても有意義な国際交流の機会をいただいたことに、心より感謝申し上げます。