2015年度活動レポート(一般公募コース)第259号
タイの大学院生が日本で再生医療技術を学ぶ
東京医科歯科大学からの報告
東京医科歯科大学では平成27年9月13日から9月20日の8日間、科学技術振興機構(JST)のさくらサイエンスプログラムの支援で、タイ王国チュラロンコン大学の大学院生10名を受け入れ、再生医療支援人材育成プログラム研修を行いました。
我が国が世界に先駆けて進んでいる再生医療を安全かつ高品質に世界へ普及していくためには、細胞培養・加工に携わる人材や品質管理に携わる人材など、再生医療を支援する人材の育成が極めて重要です。
本プログラムは、日本の再生医療技術を学び、それを支える人材の活躍の場を見学し体感することで、再生医療支援人材の重要性を学んでもらうものです。東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科では、厚生労働省、文部科学省・JSTの支援の下、「再生医療支援人材育成コンソーシアム」を立ち上げ、国内の若手研究支援者育成に着手しています。本学独自に培った人材育成のノウハウを活用し、再生医療を行うにあたって不可欠な幹細胞に関する講義、実習、細胞培養施設の見学を行いました。
研修後には、細胞培養の基礎的な手技に加え、幹細胞に関する基礎知識、分化誘導法など再生医療の基本を習得して帰国、タイ王国にて再生医療を実用化・発展させたいという強い反響が寄せられました。
東京医科歯科大学では、幹細胞に関する講義を受講し、未分化維持培養の実習を行いました。さらにフローサイトメーターによる細胞分離の実習、無塵衣を着用しての細胞培養施設の施設見学をしました。
また、新幹線に乗車し、京都大学iPS細胞研究所、大阪大学へ訪問しました。京都大学ではヒトiPS細胞に関する講義を受け、幹細胞の品質評価についても学びました。研究所見学では、実際にiPS細胞を培養する様子を見ました。大阪大学では研究施設、院内細胞治療センターを見学しました。さらにiPS細胞由来心筋細胞が拍動する様子を顕微鏡で観察しました。さらに、株式会社メディネットを訪問し、作業着を着用して臨床用の幹細胞を培養する工程を見学しました。