2015年度活動レポート(一般公募コース)第251号
ベトナム・台湾・タイの学生らが日本の介護分野を学ぶ
国際医療福祉大学からの報告
国際医療福祉大学は3月4日から13日までの10日間、学術交流協定を締結しているベトナムのハノイ医科大学・台湾の元培医事科技大学・タイのクリスチャン大学看護学部の教員3名・学生8名を招聘しました。
「日本の介護技術と制度」をテーマとして、高齢化が既に始まっている、または将来迎えるこれらの3ヶ国の学生らに対し、高齢化において世界の先端を走る日本の介護分野を学ぶプログラムとしました。
到着日に本学の東京地区グループの施設と病院を見学した後、本学本校のある栃木県大田原に新幹線で移動しました。3日目から8日目までは、本学の医療福祉学部医療福祉・マネジメント学科の小林雅彦学科長らによる講義の受講と、本学の栃木地区グループの施設と病院の見学を行いました。
- 受講した講義
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・日本の社会福祉制度と専門職・日本の福祉施設・老人福祉と介護保険制度・介護技術の基本①・介護技術の基本②
- 見学した本学グループ施設
- 【東京地区】
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・特別養護老人ホーム「新宿けやき園」・山王病院
- 【栃木地区】
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・国際医療福祉リハビリテーションセンター・国際医療福祉大学クリニック・特別養護老人ホーム「おおたわら風花苑」・おおたわら総合在宅ケアセンター・介護老人保健施設「マロニエ苑」・特別養護老人ホーム「栃の実荘」・にしなすの総合在宅ケアセンター・国際医療福祉大学病院
日本の介護技術の基礎や介護制度等に関する講義を受け、日本とアジアの国々における文化・社会の違いや、日本の社会保険制度等、基本的な背景を理解して頂きました。
その上で、高齢化社会において介護が如何に重要な問題であるかを紐解きながら、介護施設で実際に使用されている各種介護機器や用具に触れたり、教室で実習を行ったりしました。
介護の行為には一つ一つに根拠があることを理解させながら、最先端の介護技術を紹介しました。例えば、車椅子の押し方や体の立たせ方を教える際、何故そのようにしなければならないのか医学やリハビリテーション学・心理学と関連した根拠を示し、介護学問として深く理解して頂きました。
その他、将来のキャリアプランの一つとして日本の施設で介護福祉士として働くことが出来る可能性を示し、介護福祉士とは何か、介護福祉士を育成するための教育内容について説明しました。
また、日本で介護福祉士として働くために必要不可欠な日本語の習得については、本学の留学生別科(日本語プログラム)で体験授業を行い、日本語に触れて頂きました。
施設見学では、介護施設を見て、自国の同様の施設と比べ、「施設利用者が孤立していない。楽しそうにしている。」「きれいで清潔。プロの職員に囲まれて幸せそう。」「暖かい雰囲気がある。」等の感想がありました。
9日目は、本学のオープンキャンパスを見学し、介護以外の分野にも触れて頂きました。看護学科では心臓マッサージと聴覚器の体験、作業療法学科では介助グッズの使用体験、視機能療法学科では色覚異常の体験や視力・眼底の検査、放射線・情報科学科ではCTスキャン等検査機器の見学等を行いました。
このプログラムは、本学と協定校3校の計4ヶ国の教員・学生が集い、意見を活発に交わし、交流を深めるとても有意義な機会となり、日本で介護と日本語を学びたいと考える学生も早速1名現れました。
このような機会を与えて頂きました科学技術振興機構の関係者の皆様方に、この場をお借りしまして深く御礼申し上げます。