2015年度 活動レポート 第234号:東京大学大学院情報理工学系研究科

2015年度活動レポート(一般公募コース)第234号

日印を結ぶ次世代のICTを担う先端研究
東京大学大学院情報理工学系研究科 須田礼仁教授からの報告

東京大学

東京大学大学院情報理工学系研究科では、2016年2月28日から3月13日まで、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、インド工科大学ハイデラバード校より4名の大学院学生を招へいしました。

東京大学とインド工科大学ハイデラバード校とは以前から交流があり、先駆的な共同研究の実績もあります。この実績を基盤として、情報通信技術分野の高度な教育研究の更なる連携を促進することを目的として今回のプログラムを実施しました。

具体的には、情報通信技術分野で我が国が特に強みを持つスマートシティと並列高性能計算の先端的講義を紹介し、学生各自が、スマートシティ、IoT (Internet of Things)、先端ネットワーク、並列高性能計算とその関連分野について、専門分野に応じて体験的に学習する機会を得ました。

東京大学情報理工学系研究科のスマートビルである工学部2号館と I-REF 棟をスマートシティの体験設備,研究室のクラスタサーバを並列数値計算の実験設備として利用しました。

3月7日には、産業技術総合研究所の協力を得て、神戸にある京コンピュータを見学しました。計算速度世界第4位のスパコンの見学と共に、その建物の耐震設備の見学、産総研の研究者との交流を行いました。また往復にはインドでの建設計画が進む新幹線を利用し、その快適さと安全性を体感しました。

新幹線で神戸に向かう
新幹線で神戸に向かう
神戸市営地下鉄の車内にて
神戸市営地下鉄の車内にて
見学した京コンピュータ
見学した京コンピュータ
 

さらに、学生の一部は期間中に東京大学内で行われた高性能計算に関するミニシンポジウムに参加し、並行して「大学の世界展開力強化事業」で招へいしたインド工科大学ハイデラバード校の教授と大学院学生とともに、東京大学大学院情報理工学系研究科の教員・学生と交流し、お互いの研究の最先端の知見を交換しました。

ミニシンポジウムで成果発表 ミニシンポジウムで成果発表

総合的には、最先端のスマートビルを体感し、我が国が誇る京コンピュータを見学するなど、学生にとって、我が国の情報通信技術の先端的成果に肌で触れることができる企画になりました。またそれぞれの専門分野における体験では、世界最先端の研究に触れたことで、大きな刺激になったということです。

東京大学とインド工科大学ハイデラバード校とは継続的に教育研究の連携を行っており、関連プロジェクトで双方の学生のインターンシップ等をサポートする計画などが進んでいることから、学生たちに再来日の具体的なイメージを持たせることができたと確信しています。

3月初旬にしては凍えるような気温であったことが、30度を超えるインドから来日した学生たちには堪えたようですが、短期間にもかかわらず充実した研究活動、文化体験ができたことについて、最終日に目を輝かせて語ってくれたことが印象的でした。

さくらサイエンスクラブのバッチと修了書を手渡す
さくらサイエンスクラブのバッチと修了書を手渡す
最終日の修了式
最終日の修了式