2015年度活動レポート(一般公募コース)第229号
ベトナム国家自然科学大学の化学専攻との学生との共同研究流
広島大学大学院理学研究科からの報告
広島大学
8月3日〜8月10日、広島大学大学院理学研究科化学専攻では、ベトナムの自然科学大学ハノイ校とホーチミン校の教員1名と学生10名を迎え、英語による先端化学コース(Summer School Program for Advanced Chemistry)を実施しました。
今回のベトナム国家大学ホーチミン市校自然科学大学・ハノイ校自然科学大学と広島大学理学研究科との科学技術交流では、将来の地球環境を支える「先端物質化学」をテーマに、広島大学大学院理学研究科化学専攻で実施している先端化学をベトナムの将来を担う若手化学者に教授し、持続的に発展する国際社会の構築に貢献することを目的としました。
8月3日に、ハノイとホーチミンから広島に来日し、翌日からAdvanced Chemistryのサマースクールを実施しました。8月4日は、まず、全体オリエンテーションと、反応有機化学、有機典型元素化学、構造有機化学の3つの講義が行われ、その後、どれか1つのテーマに関するレポートを提出してもらいました。
8月5日は、構造物理化学、反応物理化学、光機能化学に関する先端研究の内容が講義され、学生たちは、1つのテーマを選んでレポートの作成がなされました。
8月6日は、今年が終戦70周年の年でもあるため、朝5時に駅に集合し、広島平和記念公園での平和記念式典に出席し、その後、平和記念資料館、こども文化科学館、宮島を訪問し、日本の科学技術と文化に触れる機会を設けました。
8月7日は、錯体化学、分析化学、個体物性化学、放射線化学に関する講義が行われ、同様にレポート作成がなされました。その後、発表会と修了式、ならびに、記念パーティーを実施しました。記念パーティーには、本学理学研究科で受け入れていたロシアからの学生と日本の学生も交えて、和やかなムードで学生交流が行われました。
その後、8月8日と9日の日本の学生との交流会を経て、10日に無事帰国しました。最終日に実施した修了者のアンケートから判断しますと、世界トップレベルの先端化学に触れることができてとても感動していました。10名のうち、2名は、大学院から日本で学びたいという意志を帰国後伝えてきており、有意義な時間が過ごせたと思います。
今回、プログラムを実施して感じたことは、折角の機会であるので、日本が世界に誇る分析機器メーカーと共同で開催し、彼らが母国に帰っても、日本の機器を使ってもらえるような仕掛けがあっても良いと思いました。最後に、関係各位の皆様には大変お世話になり、感謝申し上げます。