2015年度活動レポート(一般公募コース)第203号
台湾の高校生たちが関西・東京エリアで日本の科学技術を体験
立命館高校からの報告
立命館高校
2016年3月2日〜8日、台湾南部におけるトップ科学高校、高雄高級中学、高雄女子高級中学から8名の生徒と2名の教員を立命館高等学校で受け入れ、日本の高校生とともに、日本の高度な科学・技術に触れる経験を通して、科学分野での広い視野を養い、同時に日本ヘの理解を深めるための科学研修を実施しました。
前半(3月2日〜4日)は立命館大学大阪いばらきキャンパスに立命館高校の生徒とともに宿泊し、大阪大学レーザーエネルギー学研究センター、立命館大学SRセンター、京都大学総合博物館等で研修を行い、後半(3月5日〜8日)は立命館高校の生徒とともに、東京近郊にて日本科学未来館やSONY、海洋研究開発機構等で科学研修を行いました。
台湾の生徒達は、日本の優れた科学・技術に触れることで、大きな刺激を受けるとともに、立命館の生徒との強い友情を育みました。さらに、関東の企業等で国際的な仕事をしている立命館高校卒業生との懇談や、日本で活躍されている高雄中学卒業生を招待して講話をいただくとともに研究発表を行う機会を持ちました。台湾と日本の強いつながりを持つことができた研修でした。
取り組み内容の詳細
3月2日(水):到着、オリエンテーション
3月3日(木):大阪大学レーザーエネルギー学研究センター
インスタントラーメン発明記念館、研究発表
大阪大学レーザーエネルギー学研究センターにて研修。西村博明教授による講義と激光XⅡ号の見学を行わせていただきました。見学では、大きな実験装置に感嘆の声が上がっていました。
午後からは日清インスタントラーメン発明記念館を訪れ、チキンラーメンの手作り体験等を行うとともに、食の安全を学び、また、「大きな発明もありふれた道具だけで生み出せる」という安藤百福氏の教えを学びました。
夜に、お互いの研究を発表する機会を持ちました。立命館からは「人の密集の出口渋滞と壁・障害物によるその緩和策」、高雄女子高級中学からは「細い管の中を伝わる音の速度の遅れの研究」の研究発表が行われ、お互いに活発な意見交換を行いました。
3月4日(金):立命館大学SRセンター、京都大学総合博物館など
立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)にある、SRセンターを訪れ、難波秀利教授による講義とシンクロトロン放射光装置オーロラの見学を行わせていただいた。放射光が未知の世界を拓く光であることを学びました。午後には、京都大学総合博物館の見学をして、京都大学の豊富な研究資料に触れました。そして最後に、金閣寺を訪れました。
3月5日(土):三菱みなとみらい技術館、立命館高校卒業生による懇談会
午後には三菱みなとみらい技術館を見学し、日本の高い科学技術を体験してもらったあと、ホテルに戻り、夜には、関東で活躍している立命館高校の卒業生3名による座談会を行った。SONYを経てマッキンゼー、日立製作所、外務省に勤める3名から、国際社会で活躍するために必要なことが何かについて、簡単にお話いただき、その後に自由な意見交換を行った。近い将来の自分の姿を描いてくれたものと考えます。
3月6日(日):日本科学未来館、研究発表、高雄中学卒業生による講話
朝から夕方まで日本科学未来館を見学。ASIMOの実演には大いに沸いた。ホテルへ戻り、研究発表の第2弾として、この間、高雄高級中学と立命館高校で行ってきている共同研究「ツマグロヒョウモン蝶の適応戦略」の発表を立命館の生徒から、また、昨年12月に高雄にて共同で行った研究「コイルの中を走る電車の研究」を高雄、高雄女子、立命館の3校の生徒が共同で発表を行いました。この日の発表会には、日本で活躍されている高雄高級中学の日本人同窓会からお二人参加いただきました。研究発表の後には、高雄中学卒業生である河野昭氏から、生徒達が国際舞台で活躍してくれることを願っての講話をいただきました。激動の社会を生き抜いて来られた中で、世界を相手に大きな仕事をされてきた経験から、たいへん有意義なお話をいただきました。
3月7日(月):SONY、海洋研究開発機構
SONY本社、法人向けのショールームにて見学、研修をさせていただきました。美しい音、精緻な映像、それを自然なインターフェースで楽しむ、という近未来のオーディオ・ビジュアル設備を体験しました。さらに、たいへんコンパクトで高性能なTV会議システムの体験も行いました。午後は横須賀へ移動し、海洋研究開発機構で研修。しんかい6500の模型や、かいこう7000の研究・調査内容、高圧実験ではカップ麺の容器が1000mの深海でどのようになるのか等を学んだ。 日本の科学・技術のレベルの高さに感心してもらえた1日であった。