2015年度活動レポート(一般公募コース)第188号
日韓の高校生が盛りだくさんの研修日程を楽しみ学ぶ
静岡市国際交流協会からの報告
静岡市国際交流協会
静岡市国際交流協会では、平成28年2月15日から22日にかけて、韓国・水原市在住で、理系分野への進学を希望する男子6名、女4名、計10名の高校生を招へいしました。
研修実施にあたり、2年前より相互に青少年の派遣を行っている(財)水原市国際交流センターと業務協力を締結し、研修員の公募、書類審査、面接選考、事前研修、研修団の引率をお願いしました。
静岡の冬は温暖ですが、訪問団が滞在した1週間は例年以上に温かい晴天の日が続き、マイナス10度という冬の寒さが厳しい水原から来た高校生を歓迎するかのようでした。
その豊かな自然環境に育まれた静岡県は、全国有数の健康長寿県として知られていますが、緑茶やまぐろをはじめとした農水産物の生産量が全国第一位で、高品質な農林水産物や食品関連産業が集積し、ライフサイエンス分野で優れた研究実績を持つ大学等の研究機関が立地しています。
今回の研修では、このフーズサイエンスに着目し、日本茶、マグロ、わさびなどの食品関連機関を訪問するプログラムを組み立てました。
また、同世代の日本人高校生と科学技術分野での交流を図るため、スーパーサイエンスハイスクール指定校である静岡市立高校を訪問し、一緒に課題解決に取り組んだり、静岡県立駿河総合高校の生徒の引率で、静岡科学館る・く・るを見学したりしました。
いずれも、日本語や英語を交えて、活発に質疑応答や意見交換などを行うほか、事前に韓国側で用意した韓国の高校生活を動画で紹介したり、K-POPダンスを披露したりして、大いに盛り上がりました。
終了時のアンケートで、最も印象に残ったことの一つとして、同世代の日本人高校生との交流があげられていますが、膝を突き合わせて語り合うことの楽しさ、国は違っても同世代の高校生として共感できる部分がたくさんあることに気付けたのではないかと思います。
日本人との交流としては、他に1泊2日のホームステイを行いました。あらかじめ、一人一家庭に滞在することが決まっていたため、事前にホストファミリーとLINEやメールで連絡を取り合い、2日間をどう過ごすか相談していたようです。
中には、ドラエモンで見た日本の冬の風物詩である「こたつでミカンを食べたい」と言っていた人がいましたが、ホストファミリーと一緒に料理を作ったり、静岡市内の名所旧跡や富士山周辺を訪れるなど、日本人の生活習慣に対する理解を深めてもらいました。
研修生の多くが初めての海外旅行で、見るもの、聞くもの、全てが新鮮な様子でした。一方、朝から晩までびっしりと組まれた研修日程や専門分野の内容に不安を覚えた人もいたようです。
ただ、中には「学校で学ぶのではなく、水原市の高校生代表として研修を受けに来たので、少しくらい難しくても今後の自分の学習に役立つと思う。難しい内容を高校生にもわかりやすく説明して下さり、ありがたかった」という感想もありました。
また、ぜひ日本の大学に進学したいと思うようになったと回答した高校生もおり、今回の訪問が将来の進路を決める上で、貴重な体験になったようです。