2015年度 活動レポート 第167号:京都産業大学

2015年度活動レポート(一般公募コース)第167号

実験経済学の理論を学びつつ交流を深めたアジアの学生・研究者たち
京都産業大学からの報告

京都産業大学

12月7日(月)~16日(水)の日程で、さくらサイエンスプログラムの招聘により、中国・蘇州大学、國立政治大学(台北)、マレーシア科学大学、ノッティンガム大学マレーシア校に所属する学生・院生・研究者11名が来日し、京都産業大学において実験経済学の教育プログラムを受講しました。

プログラム実施の中心となった京都産業大学経済実験室(KEEL)は、2002年3月に創立され、実験経済学の教育と研究の拠点として機能しています。プログラム内で行われた授業は、大きく分けて、

(a) 学部上級生と博士前期課程院生を主な対象とする実験経済学と実験哲学の体験的授業
(b) 博士後期課程院生および研究者を主な対象とする実験経済学と関連する理工学の授業
で構成されていて、人文社会科学における実験研究の理論と実際を体験的に学習したり、 実験経済学の最新の研究動向と実験経済学の方法が経済学以外の科学や工学に応用されたりしていることをゲスト講師の第一線研究者から学びました。
※ゲスト講師:ニック・フェルトヴィッチ(メルボルン・モナーシュ大学)、西野成昭(東京大学)、小川一仁(関西大学)、秋山英三(筑波大)
  • 授業の様子
  • (c) 京都地域の企業訪問と観光
    京セラファインセラミック館と川島織物セルコンを見学し、日本の伝統産業および最新の技術について理解を深めました。
    • 川島織物セルコンの工場見学_作成中の大きな緞帳
    • 伏見稲荷にて
  • (d) 経済実験と哲学実験の見学・体験・分析
    参加者はKEELでの実験を見学するとともに、自ら実験参加者として実験に参加しました。参加者は、実験者と実験参加者の両方を体験し、実験経済学の理解を深めました。
  • (e) 国際会議「経済学と哲学における意識と意図」への参加
    KEELにとっては、2004年と2010年の国際会議に続く3回目の国際会議であり、内外から約70名の参加があり、活発な議論が行われました。さくらサイエンスプログラム参加者も、最新の研究に触れるとともに内外の研究者との交流を深めました。
    • 国際会議分科会の一幕
  • (f) 本プログラム受入れ主体である経済学部の学部長との懇談および修了式
    プログラムを修了した学生からは、“様々な知識を得ることが出来た”、“来年も実施されるのであれば是非後輩学生に薦めたい”、といった声が多くありました。
    • 経済学部学部長への訪問
    • 修了書授与の様子

今回のプログラムを実施するにあたってご協力を頂いたゲスト講師の方々、関係部局の教員、事務職員はもちろん、このような貴重な機会を与えていただいたJSTに深く感謝します。