2015年度活動レポート(一般公募コース)第162号
情報学の共同研究のため、中国の学生が来日
国立情報学研究所からの報告
国立情報学研究所
情報・システム研究機構 国立情報学研究所(以下NII)では、さくらサイエンスプログラムにより、2015年10月4日~10月24日の3週間(弊所内での受入は10/5~10/23)、研究協力機関である上海交通大学および中国科学技術大学の学生10名(学部生5名、大学院生5名)を受け入れ、共同研究活動を行いました。
両校とは、これまでに研究者同士の共同研究やインターンシップ受入れ等の実績を重ね、NIIに設置されている総合研究大学院大学・情報学専攻の正規課程学生の受入れにも至っています。
今回の両校との交流の目的は以下の2点です。
(1)これから研究者を目指す情報学分野の優秀な学生に研究活動を体験してもらうこと
(2)その後の研究指導の継続をも含めた機関間の共同研究の更なる深化・拡大を図ること
受入に先立ち、参加者に希望する研究内容を確認し、来日前にNII教員の研究とのマッチング作業を行うことで、最先端のトピックに焦点を当てて、参加者と教員が研究活動を行いました。
初日と2日目にかけて、まずオリエンテーションおよびNIIにおける研究活動について教員やポスドク等が紹介した他、初日のプログラムの後、研究討論会を実施しました。プログラムの最初に、NIIが取り組んでいる最先端の各研究プロジェクトの紹介を行うことで、各参加者の共同研究に直接関係のないテーマについても理解が深まり、また関心が促進されたようでした。
3日目以降は、参加者1人に対し、基本的に教員1名がメンターとして受け入れ、各研究室にて各参加者が設定したテーマにより共同研究を遂行しました。
10日(土)と11日(日)には、エクスカーションを実施しました。10日は鎌倉を訪れ、鶴岡八幡宮訪問や茶道体験などを通して、日本文化を体験するプログラムを用意しました。11日にはお台場の日本科学未来館や上野の科学博物館を訪問し、展示やコレクションを通して我が国の科学技術史や自然史の研究成果等に触れてもらう機会を設けました。
エクスカーションを通じて日本文化の一端に触れることができ、また、科学技術に関する様々な展示に触れることは、参加者にとっては来日後の多忙なスケジュールにおいてリフレッシュできる良い機会になったようでした。なお、エクスカーションにおいては、NIIに設置されている総合研究大学院大学・情報学専攻所属の中国人留学生によるサポートを得ましたが、彼らとの交流を通じて、NIIや我が国の充実した研究・生活環境を理解してもらうこともできたようです。
16日(金)には中間発表を行いました。受入から10日余りの短い期間であったが、参加者各自が非常に質の高い発表を行い、教員を交え、質疑など活発な議論が交わされました。受入最終日の23日には最終成果発表会および修了式を実施し、各参加者が最終発表を行いました。最終発表においては、16日の中間発表において意見のあった点等を更に深く追究した成果発表が見られました。成果発表後には修了式を実施し、各参加者が教員らと記念撮影を行うなど、和やかな雰囲気の中で全日程が終了しました。
なお、最終日に行ったアンケート調査からは、プログラムに対する高い評価を得られた他、多くの参加者から将来的にNIIで研究や学業を行いたいとの声がありました。