2015年度活動レポート(一般公募コース)第156号
タイの科学高校との継続的な交流で大きな成果
津山工業高等専門学校からの報告
津山工業高等専門学校
津山工業高等専門学校(津山高専)とタイ・プリンセスチュラポンサイエンス高校との交流が始まって2015年で3年目になりました。過去2年の活動としては、本校の教員や学生がタイを訪れて講義や実験教室を開催し、またタイの学生の研究発表を聴くなど、科学を通じた国際交流を行ってきました。
本年は、さくらサイエンスプログラムに幸運にも採択され、相手校の教員と生徒を日本に招く機会を頂き、両国をまたがる人的国際交流をスタートすることができました。
10月30日から11月6日の日程で、同校の教員2名、高校生3名を日本に招待し、前半では、津山高専において科学や工学の研究活動を体感してもらいました。
国際シンポジウム"International Symposium on Advanced Technology"においては、香取重尊准教授や趙菲菲助教、さらに専攻科1年の難波圭介君や末田卓巳君による科学技術の発表にとても高い関心を示してくれました。廣木一亮准教授による化学の実験教室 "Power of Conductive Polymer? " では、アシスタントを務めた本科3年の高田陸登君、細江優佑君、門美志保さんから熱心な英語での指導を受けながら、タイの生徒は笑顔で生き生きと実験していました。前澤孝信講師による生物の実験教室 "Animal Body" では、本科3年の小野航君、鈴木凱斗君、田中秀弥君、藤田治希君の指導の下、器用にスルメイカを解剖できました。プラナリアやヒトとの組織の位置関係の違いから動物の進化についての考察をしました。
津山では日本文化に触れる機会も多く用意しました。高専祭(弥生祭)や津山城、衆楽園の見学では、タイの方々は興味津々で、予定時間をオーバーするほど熱心に写真撮影をしていました。つやま自然のふしぎ館では、森本信一館長による概要説明の後、膨大な数と種類の標本や剥製などの展示物を見学しました。
プログラム後半は、つくばや東京において、最先端科学を紹介しました。本校からも廣木准教授、前澤講師、さらに昨年タイを訪問した本科4年の宮内慎君、杉浦史紘君、澤岻聖成君がサポート役で同行しました。筑波大学の小林悟研究室(生命領域学際研究センター)や木島正志研究室(物質・分子工学専攻)、産業総合研究所の山下浩研究室(触媒化学融合研究センター)では、著名な研究者の研究環境を肌で感じることができました。
また、産業総合研究所のサイエンス・スクエアやJAXA、日本科学未来館では、科学技術と我々の暮らしとのつながりを創意工夫凝らした展示によって分かりやすく学ぶことができました。
最後に、羽田空港にて本プログラムの修了認定式を実施し、タイの方々は帰国の途につきました。今回の貴重な体験をタイで待つ教員・生徒らと共有し、本国の科学技術の発展のために尽力してくれることを願います。また、今回の訪問を通して、両校の学生達の英語でのコミュニケーション能力が飛躍的に上達したことも大きな成果でした。