2015年度活動レポート(一般公募コース)第140号
中国科学院声学研究所の大学院生が山梨大学で技術交流
山梨大学からの報告
山梨大学
山梨大学では8月16日~24日の9日間、さくらサイエンスプログラムのご支援により、中国科学院声学研究所(Institute of Acoustics of the Chinese Academy of Sciences)から2名の博士課程大学院生と1名の引率教員(Prof. Li Honglang)を招へいし、主に工学部電気電子工学科の垣尾省司教授の研究室において、双方の研究テーマである弾性表面波デバイスに関する技術交流プログラムを実施しました。
弾性表面波デバイスは、圧電結晶上に微細電極を形成したエレクトロニクスデバイスであり、携帯電話・スマートフォン用の周波数フィルタや、物理・化学センサに実用されています。
一行は8月16日に来日し、山梨大学が所在する山梨県甲府市に到着しました。2日目には、本プログラムに参画する修士学生2名と共にミーティングを行った後、弾性表面波デバイスの作製プロセスや評価に用いられる研究設備の説明を受けました。
3日目には、附属図書館等の大学附属施設を見学した後、垣尾教授によるレーザー光と弾性波の相互作用に関する講義を受講し、討論を行いました。4日目には、Li教授、および双方の学生による研究報告と討論を行い、5日目には、弾性表面波を用いたレーザー光制御デバイスの評価実習を行いました。山梨大学における活動が予定よりも早く進行したため、6日目を自由活動日としました。甲府市近郊の探索等を通じて、日本の文化・歴史に理解を深めました。
7日目には、東京大学柏キャンパスに移動し、新領域創成科学研究科 人間環境学専攻 環境情報マイクロシステム学分野(保坂・佐々木・森田研究室)を訪問しました。森田剛准教授が取り組んでいる、圧電セラミックスに関する研究の説明を受け、研究設備を見学しました。その後、招へい者に修了証書が授与されました。
8日目にはLi教授の引率によりTEPIA先端技術館を訪問し、翌日、帰国しました。招へい者より、大変有意義なプログラムであった、再度来日したい等の感想が寄せられました。
現在、本プログラムをきっかけとして、声学研究所と山梨大学の双方における弾性表面波デバイスの研究開発の特徴を活かした共同研究の準備を行っています。
最後に、ご支援いただいた科学技術振興機構に感謝申し上げます。また、本プログラムにご協力いただいた東京大学 森田剛先生に心より御礼申し上げます。