2015年度活動レポート(一般公募コース)第137号
未来の薬学を担う日中の薬学生の交流
富山大学医学薬学研究部からの報告
富山大学
平成27年12月2日~9日の日程で、「さくらサイエンスプログラム」により、中国・瀋陽薬科大学から10名の学生が来日しました。両大学はこれまでも多くの交流実績がありましたが、本プログラムでは招へい学生に、薬学領域における我が国の最先端の教育・研究を体験してもらうことで、本学への関心や理解を促進させるとともに、本学の日本人学生にとっても貴重な国際交流の機会を提供することで、両大学の交流を次世代へとさらに発展させることを目的としました。
初日は、オリエンテーションとキャンパスツアーを行いました。この時期には珍しく好天に恵まれ、立山連峰がきれいに見えました。その後、学生や教職員を交えたウェルカムパーティーが行われました。
2日目は、大学院医学薬学研究部長より本学及び大学院医学薬学研究部の紹介を行った後、5名の教員による薬学研究に関する特別講義(薬物治療学・薬品製造学・構造生物学・分子合成化学・応用薬理学)が行われました。学生たちは真剣な表情で受講し、積極的に質問をしていました。
3日目は、5つのグループに分かれ、それぞれの研究室で最先端研究の体験実習を行いました。本学の学生も、中国の学生をサポートしていました。
4日目は、本学の民族薬物資料館を見学しました。その後、地元を代表する製薬会社の資料館を見学し、「くすりの富山」の歴史と伝統を深く理解する1日となりました。
5日目は、金沢を訪問しました。学生たちは、北陸の歴史と文化を肌で感じ、また日本の美しさに感激していました。
6日目・7日目は、3日目に引き続き各研究室で体験実習を行い、その後、招へい学生による活動報告会が行われました。瀋陽薬科大学では、英語だけでなく日本語の教育にも力を入れており、学生たちは英語または日本語で流暢にプレゼンをしていました。中でも、「日本の研究環境は素晴らしく、また研究室の雰囲気も良い。日本の学生も一生懸命勉強している。富山は薬都なので、薬学に関する資料が充実している。富山はとても美しく、街と自然が調和している。」といった報告が多く見られました。
修了式では細谷研究部長から1人ひとりに修了証が授与され、最後に学生や教職員を交えたフェアウェルパーティーが行われました。日中の学生たちは連絡先を交換し合い、今後も切磋琢磨しながら研究に打ち込むことを約束しました。
最終日も好天に恵まれ、富山空港からは立山連峰がくっきりと見えました。学生たちからは「日本がもっと好きになった。日本に留学し、最先端の研究を行いたい。」といった声が聞こえてきました。また、アンケートでは全員が今回の訪日に対して「非常に満足」と答えていました。