2015年度活動レポート(一般公募コース)第127号
中国湖南省から日本の環境教育・科学技術の見聞と研修に来日
公益財団法人国際湖沼環境委員会からの報告
国際湖沼環境委員会
さくらサイエンスプログラムで招へいされた湖南師範大学、同大学附属小中学校の教員および附属中学校の生徒一行8名は、11月24日から12月3日までの10日間、滋賀県において科学技術交流活動を行ないました。
湖南省は、洞庭湖や湘江等の河川を擁し、琵琶湖を預かる滋賀県と、30年以上に渡り友好関係にある省です。今回湖南省からの、日本の科学技術や環境教育について知りたい、交流を持ちたいとの要望に応え、本交流事業を実施いたしました。
受け入れ機関となった公益財団法人国際湖沼環境委員会は、滋賀大学環境総合センターや滋賀県の協力による講義、滋賀県の水環境ビジネスを支える企業の訪問等、産学官連携による体制で、精力的に日程をこなしました。
活動2日目は、滋賀大学環境総合センターの市川智史教授による講義、「日本の環境教育と科学技術」について。日本の環境教育、ESD(持続可能な開発のための教育)やバイオ燃料等について、講義が行われました。前日の来日で、宿泊先への到着が深夜に及んだにもかかわらず、招へい者は熱心に講義に耳を傾けていました。
活動3日目の午前は滋賀県より講師を迎え、「滋賀県の環境行政および環境教育の概要」についての講義。滋賀県のみならず、近畿1,450万人(日本全体では9人に1人に相当)の水源である琵琶湖を預かる滋賀県環境行政の取り組みや、滋賀県の小学生は全員、湖(うみ)、山、田んぼを体験する、「うみのこ、やまのこ、たんぼのこ」事業について、紹介がありました。
活動4日目の午前は、草津市立渋川小学校において、情報タブレットを利用した学校教育の視察。学校現場の視察ということで、招へい者も興味津々、教員同志の交流もありました。また、短時間での交流にも関わらず、招へい者の小学校教員が、生徒さんから手紙を受け取り、感激する一幕も。
活動4日目、7日目には県内企業を訪問し、ダイオキシン測定の研究施設や、スマートフォンを活用した水質検査など、滋賀県の水環境ビジネスを支える、日本の先端技術に係る現場を視察しました。
その他にも、湖をテーマにした博物館としては日本で最大規模の琵琶湖博物館や、琵琶湖と滋賀の環境問題に対して科学的側面から研究活動を行う琵琶湖環境科学研究センター訪問など、招へい者は多忙な日程をこなしました。
講義、視察日程の終了後、招へい者は成果発表として、帰国後に小中学校で実践しようとする、日本で体験した科学技術や環境教育の内容を取り入れた授業計画の発表を行いました。また、閉講式では、参加した2名の中学生より今回の交流に対する謝辞が述べられました。今回の交流により、湖南省における科学技術や環境教育の更なる発展につながることを願っています。