2015年度 活動レポート 第109号:京都工芸繊維大学

2015年度活動レポート(一般公募コース)第109号

中国の大学院生が京都でプラズマ物理を学び、再来日をめざす
京都工芸繊維大学からの報告

京都工芸繊維大学

8月19日から9月8日にかけて、中国の等離子体物理研究所(Institute of Plasma Physics, Chinese Academy of Sciences)の大学院生1名をさくらサイエンスプログラムによる交流プログラムにて受け入れました。

今回、「高温プラズマを対象とした軟X線二次元画像計測」というテーマのもと、中国で既に研究の第一線に携わっている優秀な大学院生1名が、京都工芸繊維大学の有する逆磁場ピンチプラズマ装置RELAXにおいて2次元高速軟X線カメラを用いた実験に参加し、軟X線カメラの制作方法と物理、解析手法等を詳しく学びました。

本プログラムでは、主担当として本学電気電子工学系の三瓶明希夫講師、および政宗貞男教授が指導にあたったほか、本学の大学院生6名が一体となって本プログラム参加者の研究面、生活面でのサポートを行いました。

本学滞在中は、初日にオリエンテーションを行った後は平日のほとんどの時間を講義、及び研究活動に充てるなど、参加者が非常に密度の濃い3週間を過ごせるよう配慮がなされました。本学教員から研究指導を受けることはもちろん、上述のとおり学生同士が交流を行ったことにより、双方のグローバル意識の向上にもつながりました。

研究室にて指導を受けるプログラム参加者
研究体験の様子

また、参加者は休日に京都市内、および近隣の府県に外出を行い、初めて訪れた日本の文化を積極的に吸収しました。他府県に外出するにあたり、交通手段について自分自身で調べたうえで、事務担当職員にもアドバイスをもらいにいくなど、短い日本での生活を少しでも充実したものにしようとする積極的な姿勢が垣間見えました。

今回の参加者は、今後も本学教員と研究交流を進める予定であり、中国に戻って博士号を取得したのち、プラズマ物理の研究に従事することを目標としており、将来的には日本の研究機関への就職も視野に入れているとのことです。本プログラムでの訪日は本人にとって将来自分が研究者として就職するにあたり、ビジョンを明確にするための有意義な機会になったとのことでした。

自らの研究についてプレゼンテーションを行うプログラム参加者

プログラム修了時に実施したアンケートでは、三瓶講師、政宗教授等、プログラムに携わった関係者への謝辞とともに、また日本を訪れたい旨が述べられており、参加者の満足度が高いプログラムであったことがあらためて確認できました。