2015年度活動レポート(一般公募コース)第96号
「アジアにおける都市再生」について学ぶスタディ・ツアー その②
横浜市立大学グローバル都市協力研究センター
藤岡麻理子さんからの報告
横浜市立大学
4日目は六本木ヒルズと丸の内再開発地区の見学のため、東京に向かいました。六本木ヒルズでは、森ビル株式会社の松本浩一氏を講師に招き、六本木ヒルズのエネルギーシステム、緑化、防災、タウンマネジメント等の説明をいただきました。1000分の1縮尺の東京の都市模型も特別に見学することができ、東京の都市の広がりはもとより、模型の精巧さにも、学生たちは見入っていました。悪天候のために屋外庭園・田んぼの見学はかなわず、展望台からの眺めも限られたものになってしまいましたが、眼下にひろがる光景に、東京という都市の様子を感じてもらうことができたようです。
丸の内では、再び三菱地所株式会社の恵良氏にお越しいただきました。丸ビル、新丸ビル、明治生命館を含む複数のビルをめぐりながら、地域冷暖房とエネルギー利用、丸の内のアーバンデザイン、歴史的建造物の保存活用、環境制御技術、エリアマネジメントなど、再開発が進む丸の内について解説していただきました。
5日目は、午後の国際学生フォーラムでの発表に向け、朝からグループディスカッションとスライド作りに取り組みました。午後の発表では、5グループ各々による、アジアにおけるこれからの都市計画についてのプレゼンテーションのほか、大学ごとによるホーチミン、ペナン、仁川、横浜の都市計画と課題のプレゼンテーションも行いました。時間の制約があり、質疑応答の時間がなくなってしまったのは残念でしたが、横浜市開港記念会館講堂という大きな会場で、アジア諸国から参加していた多くの教員・学生に向けて発表を行うことができたのはとてもよい経験になったと思います。夕方は本学が用意した学生向けイベント「浴衣でまちあるき」に参加し、浴衣の着付けを体験するとともに、学生間の交流を深めました。
6日目は、専門家による国際シンポジウムを聴講し、都市計画に関する今日的課題、大規模災害と都市復興、アジアにおける都市保全について学びました。最後の振り返りの場では、交流の記念として本学教員より4つの大学のロゴ入りマグカップを贈り、再会を誓って別れました。
およそ1週間にわたるプログラムを進めていく中で、日毎に、学生間の交流が深まっていく様子が手にとるようにわかりました。招聘した学生は皆、日本のまちなみや都市計画に深い印象をうけたこと、またいつか来日したいという希望を口にしていました。今回の交流プログラムでは日本の都市計画のよい面だけではなく、例えば人口減少化にどう取り組むかといった、日本社会が抱えるこれからの課題も伝えています。4か国からの参加学生が、10年後、20年後も、こうした都市の課題にともに取り組む仲間であり続けてほしいと思います。