2015年度活動レポート（一般公募コース）第92号
中国の学生が「持続可能なまちづくり」を大都会・東京で学ぶ
明海大学不動産学部からの報告
明海大学
10月12日から19日までの8日間、JSTのさくらサイエンスプログラムの支援を受けて、中国・清華大学から7名の学生と1名の引率教員を明海大学に招きました。テーマは「都市と技術～環境に配慮した持続可能なまちづくり」とし、本学の不動産学部が受け入れを行い、講義と現地見学を内容とした交流活動を実施しました。
12日の夜に来日し、13日午前中は明海大学を訪問し、佐々木副学長ほか教職員・学生が出迎え、歓迎の挨拶を行った後、オリエンテーション、講義１「日本の都市の現状と課題」に参加しました。午後は、森ビル株式会社のご協力により、六本木ヒルズを訪問し、森ビルのまちづくりについて講義を受け、東京都心の1000分の１の都市模型を見学しました。
14日午前中は、講義２「超高齢社会の都市問題」に参加しました。午後は国土交通省都市局を訪問し、石塚審議官を表敬し、日本の都市政策の歴史について説明を受けた後、都市政策課髙栁企画専門官から日本の都市行政についてレクチャーを受け、質疑応答を行いました。学生たちは特に、東京などの大都市の成長管理について関心を持っており、線引きやコンパクトシティなどに対する多くの質問が出ました。
15日は東京ガス株式会社千住テクノステーションを訪問しました。午前はコンセプトルームにて概要の説明を受けた後、近未来のモデルハウス「暮楽創ＨＯＭＥ」を見学し、先端のIT技術を用いたスマートハウスに学生たちも感銘を受けた様子でした。
また、燃料電池自動車ＭＩＲＡＩに試乗しましたが、加速の素晴らしさに驚いていました。午後は、スマートハウス磯子集合住宅の実証結果の説明を受けて、質疑応答を行いました。学生の中に社会学専攻の学生がいましたが、省エネに対する意識と行動の関係について理解を深めることができたようです。その後、上野公園と浅草を訪問し、東京の歴史と文化にも触れました。
16日午前は、講義３「都市防災の現状と課題」に参加しました。午後の前半は、パナソニック株式会社のパナソニックセンター東京を訪問し、一般には公開されていない『Wonder Life Box』と『ビジネスソリューションズ』を見学し、質疑応答を行いました。
対話型コンピューターにより制御される住宅を紹介する『Wonder Life Box』では、SFの世界のような最先端技術に学生たちは驚嘆の声を上げていました。また、『ビジネスソリューションズ』では、藤沢サスティナブル・スマートタウンの説明も受け、スマートシティに対する理解が深まったようです。
後半には三菱地所レジデンス株式会社ザ・パークハウス晴海タワーズのモデルルームを見学し、免震装置を体験しました。夕方は、修了式を兼ねた不動産学部主催のフェアウェルパーティーを開催し、教職員や学生との交流を深めました。
17日午前は、日本未来科学館を訪問し、午後はスカイツリーを見学しました。当日の天気は曇り時々雨でしたが、スカイツリー展望回廊（450ｍ）に登った時、ちょうど日没の時間に西の空に雲の切れ目ができ、太陽が沈む様子とその左側に富士山のシルエットがくっきりと見えたので、学生たちは感動して、写真を撮りまくっていました。
今回、このような有意義かつ貴重な機会をご提供いただきましたJST並びに、さくらサイエンスプログラムに対し、心より深く感謝申し上げます。学生の一人から、帰国後に次のようなメールが届きました。
Dear Prof. Suto,
You impressed me of your great arrangement and well consideration. I have experienced a clean, polite, and wonderful Tokyo with so many good memories and impressions. I really hope that we could further our cooperation on the urban studies and development, planning, politics and policies.
I am looking forward to your visit Tsinghua next time!
Tianren Ge
Post-doctor, School of Public Management, Tsinghua University
Visiting Fellow, Harvard Kennedy School
Ph.D, Tsinghua University