2015年度 活動レポート 第88号:大分大学医学部(2)

2015年度活動レポート(一般公募コース)第88号

タイのサイエンススクール生が日本の医療・医学を体験-その2
大分大学医学部 内田智久さんからの報告

大分大学医学部

日タイのサイエンススクールの交流を目的として、タイの高校生と一緒にスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校である大分舞鶴高校を訪問しました。大分舞鶴高校は平成17年度からSSH指定校として「科学技術に夢と希望をもつ創造性豊かな人材の育成」を目指し、様々な教育活動を推進している県下有数の進学校です。理数科の生徒さんと一緒に一日を過ごします。

タイの学生の自己紹介の後、取り組んでいるサイエンスプロジェクトについてのプレゼンテーションが4件ありました。いずれも英語でのプレゼンテーションで、原稿なしで流暢な英語でのプレゼンをするタイの高校生の姿に、舞鶴高校の生徒さんもいい刺激を受けていたようでした。

自己紹介から舞鶴高校での交流を開始します

それぞれの生徒にパートナーが付き、日本の高校生活を体験しました。一緒に化学の実験をして気体の分子量の測定を行いましたが、英語でのコミュニケーションで、言葉で伝わらなくても身振り手振りで意思の疎通を行っていました。きれいな英語をマスターすることも大切かもしれませんが、それよりも英語はコミュニケーションの手段であり、伝えたい内容がより大切だと言うことを理解してくれていればと思います。

化学の実験を一緒に行いました

別れ際は両国の生徒たちが名残を惜しみ、連絡先の交換を行っていました。これがきっかけとなって、交流が芽生えればと思います。

楽しいお弁当の時間
再会を約束して記念撮影

今年12月には、チュラポーンスクール・ロッブリーと大分舞鶴高校は交流協定を結ぶことになっており、また日タイサイエンスフェア(http://www.tjssf2015.net/)に10人の舞鶴高校生が参加するとのことで、更なる交流の深化が期待されます。

10月16日午前中には分子病理学講座でピロリ菌と胃がんについての講義と顕微鏡実習を行いました。胃がん発症率には地域差があり、日本では高いが、タイでは低いことを学びました。その原因として、ピロリ菌の遺伝子の違いがあることの講義がありました。また、顕微鏡を使って病理組織検体中のピロリ菌を観察したり、胃がん組織を観察して病理組織についても勉強しました。

顕微鏡実習でピロリ菌や胃がんについて勉強しました
山岡教授からピロリ菌の疫学についてセミナーを受けました

その後、環境予防医学講座に移動し、ピロリ菌研究の最前線の研究室を見学し、山岡教授からピロリ菌の遺伝子の地域差についての最新の知見についての講義がありました。