2015年度活動レポート(一般公募コース)第86号
環境を配慮した空間や生活をデザインする科学
北九州市立大学国際環境工学部からの報告
北九州市立大学国際環境工学部
中国吉林建築大学から4名、大連理工大学から4名、浙江大学から2名、計10名の学生が、さくらサイエンスプログラムにより来日し、約2週間の共同研究活動に参加することとなりました。
私たちが暮らしを営む都市や建築物は、これまでの大量廃棄型からストック型に変わる必要があります。国際共同研究活動を通して、低環境負荷を前提とした日本の科学技術を知ることで、安全で信頼できる快適な空間のために用いられている科学技術を学び、自国での新たな発想や創造を生む手助けとなる活動、具体的には、海外からの留学生に今まで我が国で取り込んでいる環境を配慮した住宅や街づくりの事例を紹介し、省エネルギーや省資源のための具体的手法を研究することを目的としました。
9月28日に教員2名で留学生を出迎えました。来日後ガイダンス、参加者自己紹介、共同研究の説明を行った後に、北九州市の全体の紹介や環境への取り組みについて講義を行いました。その後、環境共生型サスティナブルデザイン、省エネルギー及び自然との共生のための居住環境、高齢者住宅づくりの科学、バリアフリーの家づくりの科学、地震に対して安心できる住環境づくり、賢い建物の使い方の科学等をテーマに授業を行い、日本の環境住宅の理念や構造を理解してもらいました。
授業や見学等を重ね、後半はそれぞれが見学した内容をレポートにまとめ、報告会を行いました。修了式ではコース長から、学生1人1人に修了証書を渡しました。
日本の文化を理解してもらうために、小倉城、お寺など日本の歴史的建築物や大分県の「昭和の町」などの昭和初期の日本の町なども見学しました。
招へいした留学生は皆、建築分野を専攻しており、さくらサイエンスプログラムに参加して、滞在期間に様々な発見と刺激を受け、日本の環境住宅への理解を深め、環境デザインを建築デザインの関係を改めて知ることができたと思います。
人々の暮らしを育む、より豊かな住空間を創造すると共に、自然と共生し、省エネルギーや省資源といった建築や都市を作るための技術を知ることで、将来、地域社会の中で先進的な活躍をすることを期待します。