2015年度活動レポート(一般公募コース)第82号
ペーパートラスの設計・製作で香港の学生と国際交流
八戸工業高等専門学校 建設環境工学科 清原雄康さんからの報告
八戸工業高等専門学校
8月24日~8月28日の5日間、八戸高専学生がティーチングアシスタント(T.A.)となり、英語コミュニケーションを通して、香港香港専業教育学院(IVE)の学生とともに制約条件下でのペーパートラスの設計・製作を実施しました。問題解決能力向上と真の英語コミュニケーション能力向上を目指すことをコンセプトに、交流が行われました。
このプロジェクトを実施する前に,八戸高専学生のみの事前語学研修を1か月前に1回と直前3日間に行い、挨拶やプレゼンの資料説明の英文、発音のチェックを行いました。1カ月前の研修では、各自、継続的に英語教材の復習やYou Tubeなどで英会話の動画をチェックし英語に慣れるように指示しました。
プロジェクトが始まり、初日の開講式のあとは,学生主体で双方の緊張をときほぐすためのじゃんけん大会,自己紹介,他者紹介ゲームなどがアイスブレークとして行われました。ウエルカムパーティーを兼ねた昼食は和やかな雰囲気のもとで行われ、双方の学生間で積極的に会話がなされていました。その後は八戸高専T.A.によるプロジェクトの説明、本題であるトラス構造についてのプレゼン、具体的な部材に作用する軸力の計算方法などの説明がなされました。
香港の学生も構造力学の授業で、同様な計算を学んでいたようで、本校学生からの講義は刺激になったようです。夜にはIVE引率教員と教員間の交流懇親会が開催されました。
2日目は城ヶ倉大橋の見学に出かけ、奥入瀬渓流、十和田湖、八戸工業地帯を経由して戻ってきました。いずれの見学地でも日本人学生がT.A.として英語で説明を行いました。
3日目は制約条件の中でトラス理論に基づいた具体的なペーパーブリッジの設計に取り掛かりました。設計の補助ツールとして、有限要素法による軸力計算のコードを与え、荷重載荷時の挙動予測などを行いながら、グループごとで最適な構造の橋を作るための討議がなされました。ソフトの使用方法は八戸高専T.A.が担当しました。
4日目は工作用紙を用いての製作を行いました。グループメンバーが協力し合いながら、作製方法についても議論しながら取り組んでいました。
5日目は各班の完成したトラス橋のデザインコンセプト、工夫した点などのプレゼンを行ったあと、載荷試験を実施し、最大荷重を競い合いました。その後、フェアウエルパーティーと閉講式を行い、予定通り終了しました。
香港からの皆さんは授業後も八戸市内を散策し、日本文化に触れていたようです。香港の学生は英語の発音がきれいでスキルも高く、日本人学生は大いに刺激を受け、一様に英会話力を向上させるためのモチベーションアップにつながったようです。2カ月経った今でも、メールのやり取りをしている学生もいるようで、さらに香港をはじめとする他国の異文化にも興味を持ったようです。先方が香港に無事到着した後に,香港IVEの教員から、我々のホスピタリティーに感謝しているとのメールが届きました。