2015年度活動レポート(一般公募コース)第81号
ベトナムの学生と科学技術をテーマに英語でコミュニケーション
東京理科大学からの報告
東京理科大学
9月30日〜10月7日までの8日間、さくらサイエンスプログラムの支援により、オーストラリア・メルボルンに本拠を置くRMIT(Royal Melbourne Institute of Technology)大学のベトナム分校から11人が来校しました。
RMITでは、ホーチミンとハノイの2カ所のキャンパスで、ベトナム人学生を対象に英語のみで教育が行われています。今回の招へいでは「東アジアにおける科学技術交流に果たす英語の役割」をメインテーマとして掲げました。英語を母語にも通用語にもしていない日本とベトナムのあいだで、青少年が英語を媒介として科学技術交流を促進していく際、大学としてどのような場を提供できるか可能性を試みるため、プログラム内容を以下の通り工夫しました。
1. 英語による講演・講義
・福島大学行政政策学類、坂本恵教授による講演「Mutual Cooperation of Sustainable Development, Workforce and Energy, between Viet Nam and Japan」
・東京理科大学・理工学部、Michael Lynskey教授による英語での講義「科学技術と文化」(イノベーション論)を受けて、RMIT-VNの学生が「Innovation in Viet Nam」と題するプレゼンテーションを行った
2. 通常の英語クラスへの飛び入り参加
・東京理科大学・工学部第一部Alastair Marr教授の英語クラス(建築学科対象)に参加し、およそ30人の受講生とグループごとの討論会を行った
3. 英語ガイドの案内で研究施設、工場、事業所見学
・JAXA宇宙航空研究開発機構
・キッコーマン「もの知りしょうゆ館」
4. 招へい学生と本学の学生たちによる自由な英語コミュニケーション
・野田キャンパスでの学生交流会:野田キャンパスESS(English Speaking Society)部員、ベトナム語クラス受講者などを中心に約80人の学生が参加。
・研究室訪問、ミニ・インターンシップ:東京理科大学・理工学部機械工学科の溝口研究室、同・経営工学科の馮研究室で、大学院生による実験デモンストレーションや研究室ミニ・インターンシップを英語で行った。
・金町浄水場見学:英語による説明スライドを見たあと、東京理科大・理工学部Stephen・葛飾キャンパスで、工学部第一部、松本和子教授の立案による「文化と技術」をテーマとするグループ・ディスカッション。
IAESTE(日本国際学生技術研修協会)の学生、ならびに本学修士課程に留学中のベトナム人留学生数人を中心に、30人ほどが5~6つのグループに分かれて討論を行った。
こうしたプログラムを通じて、英語を外国語として操るアジアの二国の若者たちが、科学技術を共通の話題として英語コミュニケーションを行うことの重要さ、そして何よりも、本人たちが味わう「楽しさ」を確認することができ、大きな充実感と未来に向けての明るい展望のうちに、全日程を終了することができました。(RMIT-VNからは、今後も本事業への応募を継続したい、という積極的な姿勢がすでに示されています)
関係部局の教員、事務職員はもちろん、交流の場に積極的に集まってくれた本学の多くの学生、またベトナムから本学の修士課程に留学中の学生たちにも深く感謝したい。