2015年度活動レポート(一般公募コース)第80号
科学技術の分野から日中友好を深めるために
創価大学からの報告
創価大学
創価大学ではさくらサイエンスプログラムの支援を受け、8月24日~8月31日までの8日間、清華大学の若手研究者・学生、また同大学と交流を持つ合肥第六中学の学生、計9名を招聘して「科学技術交流を通して、日中の未来を開く人材育成」をテーマに交流活動を実施しました。
8月25日:開校式・歓迎会・学生交流・学内見学
開講式では創価大学学長の馬場善久より、今回のプログラムの意義、大学の歴史と国際交流の展望について紹介しました。また、引率者で清華大学日本研究センターの張涵先生より、「全員が初の日本訪問になります。今回の交流を通し、両国・両校の友好がさらに発展していくよう、有意義な研修としてまいります」との挨拶で研修がスタートしました。
歓迎会食会には、今回のプログラムをサポートする日本人学生も参加し、初めは緊張していた雰囲気も、英語で交流を図るなかで和やかになり、お互いに交流を深めました。また、学内の研究施設、日中友好に関する展示や、周恩来総理を記念して植えられた「周桜」等を見学しました。
8月26日~27日:理工学部での講義、実験
翌日は、創価大学理工学部での講義を受けた他、各研究室を訪問。生物学、情報学、化学、医学など多岐にわたる実験や実習に参加し、多くの大学院生とも交流しました。
特に情報学の授業では「通信プロトコルと通信障害」について講義を受け、通信回線上のデータ分析や盗聴がどのように行われているのか等、日中の学生でディスカッションしながらの授業が面白かったようです。学生からは「異なる専門の内容を学べただけでなく、日本人がどのように科学技術の研究に取り組んでいるのか肌で感じることができた。また国の政策に合わせた研究というより、自身の使命感で研究している姿が印象的でした」との感想がありました。また、参加した日本人学生にとっても、大変触発を受ける機会になりました。
8月28日:各施設の見学、東京都内見学
より広く日本の科学技術について理解してもらうため、調布航空宇宙センター、日本科学未来館等の見学を行いました。調布航空宇宙センターでは、YS-11退役機の見学、宇宙ステーションへの飛行の模擬体験などの他、職員の方から日本の航空技術の説明を受けました。学生たちからは、航空機の構造上の問題、未来の展望など様々な質問が飛び出し、有意義な見学会となりました。また、科学未来館では、企画展のポケモン研究所の遊びを通して、子供たちに科学研究のプロセスを教える展示方法に大変興味を示していました。
帰りにお台場を見学し、皆で回転寿司を食べにいきました。回転寿司の効率性、レーンの構造、かざすだけで皿が数えられる精算機などを見て、技術がもたらす社会の発展について学生同士で討論していました。
8月29日~30日:日本文化体験・閉講式・歓送会・富士山見学
29日は日本文化体験の授業で「日本の着物文化と中国」に関する講義を受けたあと、浴衣の着付けを行いました。また、日本の盆踊りを2曲練習し、楽しみながらも、へとへとになるまで踊り続けました。その後、浴衣姿のまま閉講式に参加し、理工学部の畝見学部長より修了証書を受け取り、各自が研修の感想を述べました。また、最終日はあいにくの雨でしたが、富士山・河口湖方面を見学し、地元の方々と触れ合うなど東京とはまた違った日本を感じる1日となったようです。
帰国後、任意で感想文を提出してもらったところ、以下のような感想がありました。
「初めて日本を訪問し、これまで自分の日本に対する印象が偏っていたことを知りました。日中両国には、科学技術以外にもお互い学び合えることがたくさんあります。私たち青年の世代は、お互いに高め合いながら、平和を目指していく日中関係を構築していきたいと決意しました」(清華大学医学部 博士課程2年)
「日本人の研究の発展に対する真摯な姿、人に対する思いやりの心、相手の立場にたって考える想像力等、多くのことを学びました。今後、アメリカ留学を考えていますが、いつかまた日本にも行きたいと思っています」(合肥第六中学 高校1年)