2015年度活動レポート(一般公募コース)第77号
都市環境改善をめざし、日中の大学間で交流を展開①
千葉大学大学院園芸学研究科 木下 勇教授からの報告
千葉大学
千葉大学では、9月1日から9日にかけて、さくらサイエンスプログラムにより、中国・湖南大学建築学院より大学院学生4名、引率教員6名を招聘しました。
本プログラムのテーマは「日本のエコ都市づくりに関する考察 」としました。湖南大学は日中国交回復以来、千葉大学が初めて提携を結んだ長い歴史のある交流協定校で、これまで文系を中心に教員や学生間の学術交流が多く行われてきましたが、理科系の交流は比較的少ないのが現状です。
中国で巨大都市化の進展に伴い社会問題となっている、省エネ、大気・水圏汚染等の都市環境問題の解決を目指し、中国の学生たちに日本の「エコ都市づくり」の事業と技術に触れていただき、さらに、両校の都市計画分野の若手教員・大学院生が交流できるプログラムとしました。
湖南地区の都市環境改善(特に住宅団地の低炭素化対策、水や廃棄物問題など)のための対策について、中国の大学生たちに日本の先端技術と経験を習得していただくこと、また、東京都市圏の都市環境対策について見聞を広めてもらうとともに、今後の提携について議論すること、を目的としました。
具体的な交流内容は…
1.エコハウスと住宅団地の低炭素化対策
2.都市の水と緑のシステムづくり
3.都市農業:植物工場・都市農園
4.エコ都市基盤づくりに関する先進技術 、としました。
交流期間は9日で、主に講義、施設見学、共同セミナーの形で 交流を展開しました。
湖南大学側からの期待
東京都市圏は、低炭素化社会の実現に向けて都市の変革を続けている。特に住宅団地づくり、緑地と水のシステム再生、都市農業、ゴミ処理事業などの研究が進み、先進的技術を応用し続けており、世界的にもトップレベルといえる。これらは、環境問題が深刻な中国の都市にとっては、大変交流価値がある分野であり、湖南大学は研究交流を通じて、学術や実践分野の提携を深めることを期待している。特に湖南地区の都市環境改善に関する都市施策や計画方法について、将来的に再来日し、または日本の研究者が訪中するなど、共同研究や教育交流が発展することが期待される。