2015年度活動レポート(一般公募コース)第70号
高感度プロセス・トモグラフィーの開発などを研修
アジア3カ国の工学系大学生との交流
千葉大学大学院工学研究科からの報告
千葉大学
千葉大学大学院工学研究科武居研究室では、さくらサイエンスプログラムの共同研究活動コースとして、8月10日から8月25日までの日程で、ベトナムのハノイ工科大学(学生6名、教員1名)、マレーシアのマレーシア国立大学とマレーシア工科大学(学生2名、教員1名)、インドネシアのバンドン工科大学(学生2名、教員1名)の3カ国4大学より、合計13名を招へいしました。
本活動では研究テーマを「高感度プロセス・トモグラフィーの開発」として、ベトナム、マレーシア、インドネシアの機械系大学生と大学院生が日本の最先端の科学技術に対する関心を高め、優秀な人材が千葉大学大学院工学研究科、または、日本の大学に留学することのきっかけを作り、アジアと日本の科学技術の発展に貢献することを目的としています。
招へいした学生は、主に担当する実験別に3チームに編成し、それぞれに日本人学生が2名付きました。それぞれの実験前に、担当教員及び日本人学生からプレゼンテーションやポスター発表によるテーマ説明会を行いましたが、自分の担当だけでなく、他のチームについても、興味深く聞き入っていました。
その後、指導教員と各チームの学生の指導を受けながら、約2週間にわたって、高感度プロセス・トモグラフィーの開発実験、微小血栓検出実験、赤血球の3Dセンシング実験を行いました。どのチームにおいても積極的に取り組み、指導教員や研究室の学生に熱心に質問し、活発なディスカッションが行われていました。
また、実験以外にも、日本における科学技術と産業の発展を学ぶために千葉市科学館と千葉県立現代産業科学館を見学しました。千葉市科学館では、工学だけではなく、自然科学全般の展示を見学しました。皆、自然環境や宇宙開発の展示に特に興味を持ったようでした。千葉県現代産業科学館では、千葉県における産業の発展の過程とともに、先端技術の展示を見学しました。エレクトロニクスやバイオテクノロジーに関する展示を熱心に見学していました。
一方、期間中には、日本の文化に興味を持ってもらうための活動も行いました。大学近辺で開催された夏祭りや花火大会を訪れました。
最終日には、実験のまとめとして報告会を行いました。各チームの発表に対して、他のチームから多くの質問があり、予定時間をオーバーするほどの白熱した議論がなされました。その後は修了式とフェアウェルパーティーを開きました。パーティーでは、日本舞踊と盆踊りが披露され、盆踊りでは全員で一緒に輪になって踊るなど、日本の文化を楽しんでもらいました。
全日程を修了したアジアの学生からは、今回の活動にとても満足した、再び日本を訪れたい、もしくは留学したいといった声が多くありました。また、今回のプログラムで、アジアの学生にとっては、日本の科学や文化・生活に触れる、日本の学生にとっては、異文化を知り、外国語でのコミュニケーション能力の大切さを知る、といった機会に恵まれました。このような貴重な機会を与えていただいたJSTならびに関係者の皆様に深く感謝し、引き続きアジアと日本の科学技術の発展に貢献できれば幸いです。