2015年度活動レポート(一般公募コース)第43号
幅広い分野での研究発表と議論を展開
千葉大学・上海交通大学国際共同研究センターの学術交流
千葉大学特任助教 田中博人
7 月 26 日から 8 月 4 日の 10 日間、上海交通大学の工学系の学部生 4 名と大学院生 6 名が千葉大学に短期留学しました。これはJST「さくらサイエンスプログラム」の助成を受けて、千葉大学・上海交通大学国際共同研究センターが企画・実施したプログラムです。本プログラムは、中国の科学技術分野の将来を担う一流大学の学生に、日本の研究者や学生との国際交流、学外の研究所見学や地域産業の見学、日本伝統文化を体験してもらうことで、日本の科学技術と文化に対する理解を促進し、将来の友好的な日中間の科学技術交流の礎を醸成することを目的としました。
プログラムの主な内容は、千葉大学内での本センター教員による英語講義、研究室見学、本センター千葉大生を交えた英語研究発表会、日本文化体験、および学外施設の見学、で構成されました。
講義と研究室見学では劉浩教授(飛翔生物と血流の流体力学シミュレーション)、橋本研也教授(SAWフィルタデバイス)、兪文偉教授(メディカルエンジニアリング)、坪田健一准教授(血球の力学シミュレーション)、並木明夫准教授(高速ロボットハンド)、田中博人特任助教(生物規範羽ばたき翼)と交流し、工学の幅広い研究分野を学びました。英語研究発表会には千葉大院生 10 名も参加し、両大学生が国際研究発表と議論を経験しました。さらに発表会の後には千葉大生による歓迎会も開催し、学生同士の交流を促進しました。
また日本文化体験として、浴衣着付け体験と折り紙教室を千葉大学国際教育センターおよび千葉大学生涯学習友の会(けやき倶楽部)の協力で行いました。
学外では千葉近郊や東京都心に足をのばし、理化学研究所和光地区(情報基盤センター、脳科学研究所)、キッコーマン醤油工場、TEPIA先端技術館、日本科学未来館を見学しました。各施設で日本の科学技術や研究環境を体感するとともに、各地域を移動する中で日本の生活環境を体験しました。
本プログラム実施中は天候に恵まれ猛暑となりましたが、大きなトラブルもなく無事に終了することができました。終了後のアンケートでは、再び日本に訪れたいという声が数多く聞かれ、日本に対する理解と友好関係の醸成という目的は達成できたと思われます。さらに本センターの千葉大学院生が研究発表会や学外見学に参加したことで、同世代の学生同士が交流する機会が数多くあり、上海交通大学生だけでなく千葉大生にとっても国際交流の貴重な経験となりました。本プログラムを支援していただいたJSTさくらサイエンスプログラム、千葉大学、各施設の関係者各位に厚く御礼を申し上げます。