2015年度活動レポート(一般公募コース)第40号
実験や検証で充実した研究初体験
マレーシア日本国際工科院(MJIIT)の学生が熱心に取り組む
東京都市大学
7月19日~8月7日までの3週間、MJIITの学部生10名が「共同研究活動コース」で東京都市大学の大学院生と共に研究活動を行いました。
学生の受け入れ体制とその成果
さくらサイエンスプログラムの実施において、東京都市大学の工学部・知識工学部では学部を超えて受け入れ体制を作るのが最大の特徴となっています。今回も工学部の3学科8教員(機械システム工学科:野中教授、関口講師、三宅准教授、エネルギー化学科:黒岩准教授、高津准教授、医用工学科:平田教授、筒井講師、京相准教授)、知識工学部の1学科6教員(宮内教授、中野准教授、横山教授、兪准教授、星講師、田口教授)の協力を得て、プログラムが実施されました。
MJIITの招聘学生10名は大学2年次を終了したばかりの学生です。そのため、MJIITにおいては研究活動の経験はなく、東京都市大学において「研究初体験」となりました。そのため、10名の学生には、来日前からアドバイザーとなる教員と電子メールを用いて連絡を取り、来日前に準備すべきことなど確認するようにしました。
東京都市大学では学部の3年生に対して「事例研究」という名称の授業で、希望する研究室においてPBL(課題解決型学習)に取り組みます。そのことから、各研究室では学部学生に対して、「答えが一種類ではない課題」を複数個用意しています。MJIITの招聘学生の方々にも、その中の課題に取り組んでもらいました。
学部2年次を終了したばかりの学生ですので、充実した研究活動を体験するためには、3週間という時間も決して十分な時間ではありません。研究(実験)を行うための基礎知識の習得、実験装置の操作法、プログラミング技術の習得等、課題解決を行うまでの準備にある程度の時間を割くことになりました。MJIITの学生の真面目な取り組みと、受け入れ研究室の教員が用意した周到なメニューが功を奏して、10名の学生が皆、十分な成果を得ることができました。
学部2年次を終了したばかりの学生ですので、充実した研究活動を体験するためには、3週間という時間も決して十分な時間ではありません。研究(実験)を行うための基礎知識の習得、実験装置の操作法、プログラミング技術の習得等、課題解決を行うまでの準備にある程度の時間を割くことになりました。MJIITの学生の真面目な取り組みと、受け入れ研究室の教員が用意した周到なメニューが功を奏して、10名の学生が皆、十分な成果を得ることができました。
8月7日には成果報告会を実施しました。学生1人当たり20分で「発表」と「質疑応答」を行いました。この報告会では、MJIITの学生と一緒に研究に取り組んだ大学院の学生、研究の指導を行った教員も参加して行われました。
例えば、機械システム工学科でPBLに取り組んだ学生は「ドローンをPID制御(比例制御+積分制御+微分制御)する課題」に取り組みました。当然、MJIITでは制御理論に十分な講義を受けてきていません。しかしながら、まずは、MATLABを用いたシミュレーションを通じてPID制御則を学び、その知識を用いて、ドローンの軌道制御(決められた半径の円軌道で飛行させるもの)を見事に成し遂げました。質疑応答では「本当は8の字軌道の制御を行いたかったが、難しかったので、円軌道とした」といった、課題解決への道筋に関して応えていました。時間が許せば、8の字軌道は必ず実現できたでしょう。医用工学科でPBLに取り組んだ学生は指先から脈を計測する装置を実際に作成し、デモを交えて発表を行いました。その装置はお土産として自国に持ち帰りました。10名の学生全員が充実した「研究初体験」を実現してくれたことは、本プログラムの成功を意味するものだと自負しております。
日本の文化や科学技術を体験
さくらサイエンスプログラムの大きな目的の一つに、来日した学生さんに日本の文化・伝統、科学技術を知って頂くこと、があると思います。3週間の滞在期間中に、主に3つの行事を通じて、招聘学生に日本の文化・伝統、科学技術に触れてもらいました。
1と3の行事は東京都市大学の大学院生が企画立案しました。両校の学生間の交流を深めたことは言うまでもないことです。2の行事は、本学の事務局(国際部)がリードして行われました。なお、2の行事は東急電鉄が留学生のためのイベントとして企画したものです。この渋谷夏祭りに関しては「JapanTimes」に写真付き記事として掲載されました。