2015年度 活動レポート 第37号:長岡科学技術大学

2015年度活動レポート(一般公募コース)第37号

タイ・スラナリ工科大学の学生1名が実験力学について学ぶ

長岡科学技術大学

この度、さくらサイエンスプログラムでの採択に伴い、6月20日~7月10日の21日間 、タイのスラナリ工科大学から1名の学生を招聘して実験と研究を実施しました。

スラナリ工科大学と本学は2012年に協定を結んで以来、教員や学生の交流が続いています。今回のプログラムは研究室においての実験を主体としていますが、実験を行うにあたっては安全教育、装置の操作方法の基本を学ぶことから始め、本学の高機能の実験装置で実験・解析に取り組みました。

取り組んだテーマは、0.5mm厚の鉛板並びに板紙を主な対象として、精密矩形パンチ装置及びくさび刃・面板工具を使ったサーボプレスによる板材のせん断加工における切断機構の理解体験と変形の様子に関する精密計測法の習得です。

前半は、鉛板並びに板紙の試験片を準備し、基礎的な機械的性質を調査することで、機械的条件を理解してもらいました。後半は、専用のせん断加工装置を用いて、板材を切断する動的な変形工程を高速デジタル顕微鏡カメラによるその場観察を行いつつ、動的な荷重応答の計測を行って、鉛板と板紙のせん断変形特性の様子をデータとして採取してもらいました。途中、摩擦損失の非線形な応答や再現性管理と校正検査など、実験力学で大変重要で基礎的な事項の克服に時間を費やしました。このことは、本人のよい勉強になったと確信します。今後、類似の実験を行なうときには、さらによい実験計測を行なうことができると思われました。

実験中の様子
実験中の様子

本人も滞在に非常に満足しており、再度来日したいとの希望を持っていました。今回のプログラムを通して、より高度な教育への動機につなげることができたと思います。

修了証の授与
成果発表会にて