2015年度 活動レポート 第35号:大阪大学グローバルコラボレーションセンター(GLOCOL)

2015年度活動レポート(一般公募コース)第35号

ベトナムの高校生が食と水に関する日本の技術の実際を学び関心を深めるレホンフォン高校およびハノイ国家大学附属科学技術高校との交流

大阪大学グローバルコラボレーションセンター(GLOCOL)

大阪大学グローバルコラボレーションセンター(GLOCOL)は、ベトナムのレホンフォン高校(ホーチミン市)およびハノイ国家大学附属科学技術高校(ハノイ市)から、生徒8名、教員2名を招へいし、「食と水の健康環境」に関する日本の高度な技術とその応用について研修を実施しました。

招へいした高校生と教員は、7月15日から7月23日までの期間中に、大阪大学でGLOCOL、薬学研究科、大阪府立大学で環境生命科学研究科を訪問し、当該テーマに関連する分野で研究を行っている教員や先輩のベトナム人留学生から講義を受け、質疑や意見交換を行いました。

また、大学の他にも、ベトナムと具体的な関係を持っている、イオンりんくう泉南店、動物検疫所関西空港支所、島津製作所創業記念資料館、神戸市中央卸売市場、日本冷凍食品検査協会、神戸医療産業都市、大阪市下水道科学館、アサヒビール吹田工場などを見学し、当該テーマに関する科学技術とその応用について、ベトナムの状況を踏まえた説明をうけました。

神戸中央卸売市場の食品衛生検査所を訪問
大阪市立下水道科学館を見学

印象深かった見学として、多くの高校生が共通して大阪市下水道科学館を挙げていました。大阪市はベトナムに対して水関連のインフラ整備に関する支援を行っており、見学を通して具体的にベトナムにおける科学技術の応用の現状を考察し、未来を想像できたからだと思われました。

プログラムの一部は、本プログラムの直後に同様のテーマでベトナムにて研修を行う予定になっていた兵庫県立兵庫高校(SGH指定校)と共同で実施し、最終日には同高校で交流会とプログラムの総括を行いました。

兵庫県立兵庫高校との交流会

ハノイ国家大学附属科学技術高校の高校生のクオンさんは、交流した日本の高校生について、「女子はしずかちゃんのように賢くキュートで、男子は出木杉くんのように聡明で、かつのび太のように面白い」とベトナムでも人気の『ドラえもん』のキャラクターになぞらえて、親近感を深めていました。

今回のプログラムにおいて、ベトナムの2つの高校の生徒は、「食と水の健康環境」に関する日本の高度な科学技術を理解するとともに、ベトナムにおける応用の可能性についても学ぶことができました。また、本プログラムは、単に科学技術の紹介をするだけでなく、将来的に日本で留学したり、働いたり、あるいは、日本の次世代と協働するためのモデルとヴィジョンを示すことをもう一つの重要な目的としていました。レホンフォン高校の高校生のチャンさんは、「近い将来日本を再訪問して、学部か博士課程の学生として、環境や生物化学分野について学びたい」と述べていました。

参加したベトナムの高校生は、『ドラえもん』のSF世界ではない日本の現実の科学技術に触れ、同年代の若者と実際の交わりながら、日本とベトナムの科学技術の未来について、新しい夢を膨らませることができたようです。