2015年度活動レポート(一般公募コース)第24号
タイの優秀な高校生が京都・東京で科学研修 その1
立命館高校
7月24日〜31日 タイでトップの科学高校Mahidol Wittayanusorn School(MWITS)から10名の生徒を立命館高等学校で受け入れ、日本の高校生とともに、日本の高度な科学技術に触れる経験を通して広い視野を養い、同時に日本ヘの理解を深めるための科学研修を実施した
前半(7月24日〜28日)は立命館大学びわこ・くさつキャンパスで立命館附属校の生徒とともに宿泊し、科学ワークショップや京都での文化体験を行い、後半(7月29日〜31日)は立命館高校、筑波大学附属駒場高校の生徒とともに、東京にて科学研修を行った。
MWITSの生徒達は、日本の優れた科学技術に触れることで、大きな刺激を受け、日本の生徒達と将来につながる強い結びつきを形成できた。また、日本の生徒にとっても、優秀なMWITS生徒と交流することは大きな刺激であり、素晴らしい友情を育むことができた。
プログラムの詳細
7月24日(金) 日本に到着、立命館高校を訪問
MWITSの生徒達が関西空港に到着した。初めての日本に興味津々の様子である。最初に訪れたのは、立命館高校。夜行便の疲れを癒すために、体験学習棟でシャワーを浴びたり、軽食を摂ったりしてリフレッシュ。昼食後、バディー生徒の案内で昨年9月に完成したばかりの新キャンパスを見学。タイの生徒2名に立命館高校の生徒2〜3名がついて、楽しく会話をしながらの案内にどんどん表情が明るくなっていく。見学の後、オリエンテーション。さくらサイエンスプログラムの趣旨、この1週間のプログラムの詳細、日本の生活での注意事項等を丁寧に説明。16時から宿舎となる立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)へ移動。夕食の後、北海道からこの取り組みに参加する立命館慶祥高校の生徒2名と合流した。
7月25日(土) Science Workshop「振動の伝搬から地層の構造を読み解く」
立命館高校、立命館宇治高校、立命館慶祥高校から生徒11名が参加し、合計21名の生徒でワークショップを実施。 立命館大学理工学部物理科学科の川方裕則教授の指導のもと、振動の伝搬から地層の構造を読み解くことに挑戦した。午前中に、振動の伝搬が地層によってどのように変化するのかについて講義を受け、その後、川方先生が自ら製作されたプラスチック箱の中に作った模擬地層を調べることに取り組んだ。もちろん側面は布で覆われており、表面のみで内部の様子は分からない。ハンマーで叩いた振動がどのように伝わるかのデータを5班に分かれて、班毎に6ポイントずつ計測した。
午後は、班毎にデータの解析。表面から深さ何cmのところに地層の境目があるかを講義で習った計算式を使って予測する。そして各班の発表。短時間で準備した発表だったが、どの班も立派に発表を行った。最後にプラスチック箱を覆っている布を取り除き、川方先生から正解を発表。残念ながらどの班の予想も実際よりは短い値であったが、川方先生からそれらのデータ解析に関する講評として、先生自身が測定されたデータ、解析内容と比べながら、各班の取り組みをおおいに賞賛いただいた。
地表を叩くだけで中の様子を推測できることはたいへん興味深く、また普段の授業ではあまりできないような、丸1日をかけて一つのことに集中する経験やタイの生徒とともに英語でワークショップに取り組んだこと等、たいへん有意義な経験となった。またMWITS生徒がExcelソフトの扱いにたいへん長けていることが印象的であった。
参加した立命館高校生徒の感想には、「とても難しく、すべて理解できたかは分かりませんが、Mahidolの生徒と協力して発表まで持っていけて良かったです」「この経験をこれからの自分に活かして世界に貢献したいです」等と述べられている。
7月26日(日) 京都大学総合博物館見学、京都での文化体験
この日は終日、京都市内での研修。朝から京都大学総合博物館を見学。たいへん熱心に展示物に見入るMWITS生徒達が印象的であった。京都大学構内のカフェテリアで昼食を取り、昼食後は大学の中を少し見学。京都大学の歴史展示も熱心に見学していた。その後、清水寺の観光を行う。清水寺を出てから参道の土産店で買い物を楽しんだ後、さらに移動して、寺町付近にていくつかのグループに分かれ、立命館の生徒達の案内で、買い物、夕食を楽しんだ。