2014年度 活動レポート 第92号:高知大学黒潮圏総合科学専攻

2014年度活動レポート(一般公募コース)第92号

黒潮圏科学シンポジウムと将来の共同研究に向けたマッチング

高知大学黒潮圏総合科学専攻 飯國芳明、堀美菜

フィリピン及び台湾から、若手の研究者10名を高知大学に招聘し、黒潮圏科学国際シンポジウムへの参加及び高知大学の研究者との共同研究に向けたマッチングを行いました。招聘期間は2014年9月9日(火)~9月18日(木)で、それまでの悪天候を吹き飛ばすように連日好天に恵まれました。

フィリピンからはフィリピン大学、ビコール大学、カタンドアネス州立大学、フィリピン農水省水産局から6名、台湾からは中山大学、東華大学から4名が来日しました。

■ 9月9日(火) 来日
フィリピンからはカガヤン・カタンドアネスといった遠隔の地からの参加者もあり、2日がかりの長時間移動となる参加者もありましたが、その間に親交を深めて、来日時にはすっかりよい友人となっていました。

■ 9月10日(水)自己紹介と学内案内、学長訪問
午前中は、黒潮圏総合科学専攻の教員と招聘された若手研究者の自己紹介。初回とあってやや緊張気味です。
午後は、脇口学長、深見教育担当理事、田口研究担当理事、箱田財務理事への表敬訪問。緊張度はさらに上がって、こちこちになる参加者もありました。その後は、学内施設を案内して、市内の視察が続きました。

9月10日 表敬訪問。

■ 9月11日(木)共同研究に向けたマッチングⅠ
高知大学の教員との間で共同研究の可能性を探るマッチングを行いました。高知大学ではキャンパスが朝倉(本部、人文学部、理学部、教育学部)、物部(農学部・黒潮圏総合科学専攻)、岡豊(医学部)に分かれているため、それぞれのキャンパスに分散して研究室訪問を行いました。
現在、参加者が行っている研究を紹介し、今後の研究のあり方を議論するとともに今後の研究協力・連携が可能かどうかを検討しました。

9月11日 伊谷先生の研究室訪問。

9月11日 新保先生、堀先生の研究室訪問。


■ 9月12日(金)、13日(土) 第8回黒潮圏科学国際シンポジウム参加(1日目)
12日からは2日に渡って第8回黒潮圏科学国際シンポジウムが開催され、参加者は全員この場で報告をしました。このシンポジウムではフィリピン及び台湾から総勢20数名の研究者が集い、主として黒潮圏の沿岸域の生物や水産、さらには社会経済的な分析が報告されました。

9月12日 シンポジウムで報告するYan-Yi Wuさん(中山大学)。
9月12日 黒潮圏科学国際シンポジウムの集合写真。

■ 9月14日(日)牧野植物園視察、室戸市へ移動
午前中に牧野植物園の視察を行い、桂浜を見ながら昼食を取りました。午後は室戸へ移動、途中、道の駅で地元の野菜や水産物を見ながら(味見しながら)の移動となりました。夕食ではサワラの刺身、田舎寿司や鮎の塩焼き、トコブシなど高知の幸を満喫しました。

■ 9月15日(月)室戸市で海洋深層水利用施設及びジオパークの視察
室戸の地形の成り立ちやジオパークの設立経緯について、室戸市ジオパーク推進課課長の和田庫治さんにお話頂きました。
その後、一般社団法人うみ路の海洋深層水を利用した海藻養殖施設の見学、鯨館で捕鯨の歴史を学び、室戸海洋深層水株式会社の製塩工場見学、ジオパーク見学と駆け足で回り夜遅くになって高知市内へ戻りました。夕食時に少し早めですが、修了書を配り皆大喜びでした。

9月15日 修了証を手にする参加者。

■ 9月16日(火)共同研究に向けたマッチングⅡ
この日は午前中に高知県の伝統的な工芸である土佐和紙の生産や歴史を紹介する土佐和紙いの町紙の博物館を訪問し、紙漉きも体験しました。

9月16日 いの紙の博物館での紙漉き体験。

午後は、高知大学総合研究センター海洋生物研究教育施設を訪問して、施設の概要を学びました。また、施設の船で土佐湾をクルーズしてその豊かさを体験ののちは、再び、施設の教員の研究室を訪問しました。

9月16日 土佐湾クルーズの様子。

■ 9月17日(水)東京へ移動、国立博物館の訪問
東京に移動して、国立科学博物館を訪問しました。全球型映像施設「シアター36○」のダイナミックな映像はこれまでにない体験で印象深いものだったようです。訪問時間は十分とったのですが、それでも不足気味。

9月17日 国立科学博物館前にて。

国立科学博物館見学後、さくらサイエンスの名前にある桜の木を見てみたいとの強いリクエストで、上野公園の桜の木の下で桜が咲いた時の再会を誓いました。

■ 9月18日(木)帰国
参加者はそれぞれの帰途につき、無事帰国しました。

9月18日 帰途についた参加者。