2014年度 活動レポート 第235号:一般財団法人日中経済協会(1)

2014年度活動レポート(一般公募コース)第235号

中国海洋大学の青年研究者と海洋エネルギー・環境研究分野で研究交流 その1

一般財団法人日中経済協会

一般財団法人日中経済協会は「さくらサイエンスプログラム」として、山東省青島市の青島市科学技術局の推薦を得て、中国海洋大学の青年研究者9名(工程学院の教授1名、副教授1名、講師2名、大学院生4名、青島市科学技術局基礎科研処の主任科員1名)を招へいし、海洋エネルギー・環境研究分野での訪日研究交流を実施しました(2015年1月13~22日、10日間)。

中国海洋大学は山東省青島市にあり、海洋科学研究を特色とする中国政府教育部(日本の文部科学省に相当)直属の重点総合大学です。一行は、東京および近郊と九州の大学・研究機関を訪問し、研究施設などの見学、日本側専門家との研究交流活動を精力的に行いました。

プログラム1日目:1月13日(火)

招へい者一行9名が青島からの直行便で夕方成田空港に無事到着しました。空港から千葉県柏市の柏の葉スマートシティ内にある宿泊ホテルに向かう車中でオリエンテーションを行いました。

夕食後は柏の葉スマートシティ内を散策しましたが、一行は初めての日本でもあり、翌日から本格的に始まる研究交流など活動にとても期待している様子です。ホテルには温泉大浴場が併設されているので、日本の温泉も体験しました。

プログラム2日目:1月14日(水)

本日のプログラムは東京大学で一番新しい柏キャンパスでの研究交流です。午前は大学院新領域創成科学研究科・海洋技術環境学の多部田茂教授(海洋環境システム学)との研究交流を新領域環境棟にて行いました。

初めに多部田教授から柏キャンパスと大学院新領域創成科学研究科などのご紹介を受けた後、研究内容についてのレクチャーを受け、質疑応答を行いました。
多部田教授の計らいで、研究交流には2名の中国人留学生が参加してくれましたので、彼ら留学生の日本での研究の進捗状況はもちろん、留学生活についての紹介にも興味津々でした。昼食も中国人留学生と引き続き意見交換しながら柏キャンパス内で頂きました。

 
 

東京大学柏キャンパス訪問・研究交流(大学院新領域創成科学研究科)

午後は大気海洋研究所(AORI)・海洋地球システム研究系海洋物理部門の安田一郎教授(海洋大循環分野)を中心とする研究者との研究交流と研究施設見学を行いました。
初めに安田教授のご案内で海洋観測に必要な観測機器が維持管理されている海洋観測機器棟を見学し、プランクトン採集ネット、深海底堆積物採取装置などについての説明を受けました。

続いて国際連携研究センターの植松光夫センター長・教授(国際学術分野)と中国人留学生のご案内で屋上に設置されている大気観測機器なども見学しました。研究交流には安田教授の他に、岡英太郎准教授(海洋大循環分野)と藤尾伸三准教授(海洋変動力学分野)も加わって頂き、それぞれの研究内容のレクチャーを受け、質疑応答を行いました。

東京大学柏キャンパス訪問・研究交流(海洋観測機器棟)

東京大学柏キャンパス訪問・研究交流(大気観測機器設置屋上)

 
 

東京大学柏キャンパス訪問・研究交流(大気海洋研究所)

夕方には新宿区西新宿にある宿泊ホテルに到着し、夕食後は初めての繁華街・新宿駅周辺でのショッピングに出かけました。

プログラム3日目:1月15日(木)

本日のプログラムは千代田区丸の内の新丸ビルにあるキヤノングローバル戦略研究所(CIGS)での海洋環境・エネルギー技術・政策をテーマとするレクチャーと研究交流です。
午前は本日のプログラムについて主導して頂いた湯原哲夫理事・研究主幹(内閣官房総合海洋政策本部参与会議参与)との研究交流を行いました。

日本の海洋基本法と基本計画、海洋産業の展望と振興、環境エネルギー・物流に関する日中交流など、政策を含む幅広いテーマについてのレクチャーを受け、質疑応答を行いました。

 
 
キヤノングローバル戦略研究所訪問・研究交流

午後は段烽軍主任研究員(東京大学特任研究員)、大和裕幸東京大学副学長(新領域創成科学研究科・人間環境学)との研究交流を行いました。
段主任研究員には海域環境汚染と保全、地球温暖化抑制と長期エネルギービジョン、日中協力とアジアへの貢献についてのレクチャーを受け、大和東京大学副学長には海事・海洋分野での大学・学会間交流の展望と期待、中国海洋大学への提案(人材育成と研究開発など)についてのレクチャーを受け、質疑応答を行いました。

本日は湯原理事・研究主幹の主導のもと、青栁由里子研究員、河合明義研究推進部長をはじめとするCIGS側の綿密な事前準備のおかげで、充実した内容の研究交流を行うことができました。