2014年度活動レポート(一般公募コース)第234号
マレーシアMJIITの学部生10名が課題解決型学習に取り組む
東京都市大学
2014年10月18日・午前6時30分にマレーシアのMalaysia-Japan International Institute of Technology (MJIIT)の10名の学生が成田空港に降り立った。10月28日までの11日間の東京都市大学における「さくらサイエンスプログラム」のスタートであった。
課題解決型学習を行う体制
MJIITの専門教育は大きく3つの分野(機械システム系、電気電子系、化学プロセス・環境系)から成る。
今回は機械システム系と電気電子系の学生の招へいを図るため、東京都市大学の工学部・知識工学部から2つの分野に対してそれぞれ7研究室を受け入れ候補研究室として選定した。
この、受け入れ候補研究室の選定は「行われている研究の先端性」、「学生受入れに対する積極性」等から行った。研究室の決定は学生の希望によって行われた。
その結果、工学部では機械工学科・流体工学研究室、機械システム工学科・ロボティックライフサポート研究室、機械システム工学科・高機能機械制御研究室、医用工学科・生体計測工学研究室、医用工学科・知覚システム工学研究室の5研究室が、知識工学部では、情報科学科・計算機ソフトウェア研究室、情報科学科・自動制御研究室の2研究室が受入れ研究室となった。
課題解決型学習の進め方
東京都市大学では、全ての学部の3年生に対して「事例研究」を必修科目としている。工学部・知識工学部においては実際に研究室に学生を配属させ、卒業研究に先立つ、エンジニアリングデザイン教育としての重要な位置づけとなっている。
「事例研究」を実施する各研究室は、それぞれの専門分野における国内外の学術会議や学術雑誌において研究成果を発表してきていて、技術分野・水準の確かさ、施設、設備等においてそれら先端性が保証されている。
また、「事例研究」における課題解決過程に研究室に配属されている学部4年生と大学院生も討論・指導補助で参加することも特色である。このノウハウをこの「さくらサイエンスプログラム」で役立てることとした。必ずしも解が一つではない、課題解決型学習を確実に実現する下地が東京都市大学工学部・知識工学部にはある。
成果報告会、修了式
10月27日に、約1週間、配属先研究室で取り組んできた課題解決型学習に対する成果報告会が行われた。報告会は本プログラムの実施主担当者である知識工学部情報科学科の田口 亮教授の司会進行で行われた。
ロボットを用いたデモ付きの発表であったり、実際に作成した計測用電子回路基板等の披露も交えた発表等、全ての報告が1週間の成果とは思えないほど充実したものであった。学生の指導を行った先生方のコメントも交えながら、この1週間の研究活動・成果の総括が成された。
発表会終了後、実施責任者であり、東京都市大学副学長である三木千壽先生から学生一人一人に修了証が授与された。
MJIITと東京都市大学の学生交流
10月26日にMJIITの学生10名と東京都市大学の学部生・大学院生8名、引率者3名で交流会を実施した。
企画・立案は東京都市大学の大学院生が行った。皇居、秋葉原、原宿といった、日本の伝統・文化に触れることのできるスポットと若者のスポット等を巡った。
交流会を通じて、両国の学生間に密な交流が生まれ、電子メールアドレスの交換等により、MJIITの学生の帰国後も連絡を取り合っているケースもある。
「さくらサイエンスプログラム」が、単に、科学技術の最先端を体験、知って頂いたことのみが成果ではなく、明日の両国を築き上げ、支えていく若者同士の密な交流が図られたことも大きな成果といえる。