2014年度活動レポート(一般公募コース)第232号
タイ・モンクット王工科大学トンブリー(KMUTT)との課題解決型学習の取り組み
東京都市大学
2015年1月18日~24日の間、タイ・モンクット王工科大学トンブリー(KMUTT)との「さくらサイエンスプログラム」を実施した。KMUTTからは学部学生9名、引率教員1名が来日した。
KMUTTの特徴と招聘学生の選択方法
KMUTTはタイの工科系において、チュラーロンコーン大学、タマサート大学と並べられる屈指の大学であり、高い教育力・研究力を誇る大学である。
自然科学系の研究においては世界的にランキングされるレベルにある。招聘学生の選抜基準は、①成績(GPA):原則GPA3.0以上、②英語力、③KMUTTの教員による口頭試問(適正と意欲等の確認)であり、優秀な学生9名が選抜された。
受入れ体制
選出された9名の学生の専門(興味を持つ)分野が東京都市大学側に知らされ、その分野情報を基に、工学部、知識工学部から受入れ研究室の選定を行った。
選定基準は、「先端性の高い研究を国内外の論文誌や会議で発表していること」と「招聘学生の受入れに積極的なこと」である。
その結果、工学部からは、電気電子工学科・電気機器(モータドライブ)研究室、電気電子工学科・気体エレクトロニクス研究室、知識工学部からは、情報科学科・計算機システム研究室、情報通信工学科・通信システム研究室、情報通信工学科・無線システム研究室の5研究室が受入れ研究室となった。
課題解決型学習の進め方
東京都市大学では、全ての学部の3年生に対して「事例研究」を必修科目としている。工学部・知識工学部においては実際に研究室に学生を配属させ、卒業研究に先立つ、エンジニアリングデザイン教育として課題解決型学習(PBL)に取り組んでいる。
この「事例研究」における課題解決過程では研究室に配属されている学部4年生と大学院生も討論・指導補助で参加することになっている。
日本の研究室独特の先輩と共同して課題解決に取り組む方法を「事例研究」においても重視している。このノウハウをこの「さくらサイエンスプログラム」で役立てることとした。学生には3日間、一研究室に配属してもらい研究室の教員の指導と大学院生の指導補助を受けながら課題解決型学習に取り組んでもらった。
成果報告会、修了式
帰国前日の1月23日の午前に日本科学未来館の見学が行われ、午後に成果報告会、修了式が行われた。
この日のプログラムの進行は実施主担当者である田口亮教授のもとで行われた。日本科学未来館の見学では「いま世界に起きていることを科学の視点から理解し、これからの未来を考える」機会を持つことができた。
成果報告会の内容は、電気工学、コンピュータサイエンス、通信技術など多岐の分野にわたっていた。研究室で指導を担当された教員から、「招聘学生が研究課題に取り組んだ期間は僅か3日間であったが、学生達は非常に熱心に課題解決に取り組んだ」とのコメントが披露された。
成果発表会終了後に修了式が行われ、実施責任者であり、東京都市大学副学長である三木千壽先生から学生一人一人に修了証が授与された。