2014年度 活動レポート 第227号:横浜国立大学

2014年度活動レポート(一般公募コース)第227号

四川大学、香港理工大学と防災・減災技術で学術交流

横浜国立大学

2014年8月19日~8月25日にかけて、四川大学-香港理工大学災害復興管理学院(中国語名称「災後重建与管理学院」)に関わる四川大学の教員1名(Prof. Gu Lindheng)と大学院生1名、学部生2名、香港理工大学の土木・建築系学部(Dept. of Civile and Environmental Engineering)の教員1名(Associate Prof. Dai, Jian-guo)と大学院生2名、学部生1名の総勢8名を迎えて、防災や減災に関わるハード・ソフト技術に関する交流事業を行った。

主な交流事業の他、専門家による耐震性や防災ワークショップ手法の講義など様々な視点から防災・減災について学び、活発な討論を通して有意義な交流が行われた。

1)都市部における大規模集合住宅の自治会による防災の取り組み視察

都市部に位置する約500戸(敷地19,000m2)からなる大規模集合住宅の自治会が、毎年行っている防災の取り組みを自治会の方に解説いただくとともに、備蓄庫などの施設見学を行った。
年2回の防災訓練の他、自己救急や高齢者要援護者の対応方法についても消防署と連携して訓練を行い、近隣の7マンションとも連携して防災・防犯について取り組んでおり、共助の仕組みが重要であることを学ぶ機会となった。

2)郊外における自治会による防災の取り組み視察

横浜国立大学の近隣で、横浜市郊外の低層住居が建ち並ぶ地域の自治会の取り組みについて、小学校に設置された自治会の防災備蓄倉庫を見学しながら、日頃の取り組みの様子を解説いただいた。
都市郊外住宅地の典型的な防災の取り組みに位置づけられるが、小中学校が防災の拠点になっていることや、都市部同様に日頃から防災訓練を行っており、災害に対する備えがどの自治会にも浸透していることを知る機会にもなった。

また、この視察の様子はタウンニュースの取材を受け、8月28日に掲載された。

横浜市郊外の自治会の防災の取り組みを視察(常盤大小備蓄庫の前)

3)東日本大震災を事例とする建築の減災技術や復興技術に関するサロンへの参加

東北工業大学・名誉教授・田中礼治氏をお招きして、東日本大震災の津波の被害状況と残された建物の特徴から、RC造やピロティ構造を有する建物が減災対策としても有効であること等を知った。
また、石巻の復興まちづくりに携わる本学博士後期課程の学生から、経緯や現状について説明を受けた。中国の学生にとって津波被害は経験することのない新鮮な話題ではあったが、その後の復興や減災のためのまちづくりのプロセスや考え方について知る貴重な機会となった。

専門家による東日本大震災に関する講義

4)関内地域の災害と復興の痕跡を探るまち歩き

本学准教授・藤岡泰寛氏から、開港後の関内の発展の様子とともに3回の震災や戦災などの3つの大きな災害に遭ったことや、それによって防火帯建築の出現等、まちの構造や建物のつくりが進化してきた経緯について解説いただいた。
また、実際の防火帯建築の特徴や災害の痕跡等を確認しながらまち歩きを行った。

馬車道・関内地区のまち歩き