2014年度活動レポート(一般公募コース)第222号
次世代を担うタイの学生との科学技術交流
富山大学和漢医薬学総合研究所
平成27年2月25日から3月3日まで、「さくらサイエンスプログラム」により、タイ・コンケン大学薬学部から9名の学生と1名の教員が来日しました。
両大学はこれまでも多くの交流実績がありましたが、本プログラムではその実績を次世代へと継承し、両大学のさらなる学術交流を推進すること、そして天然薬物・伝統薬医薬の科学研究から今後の医療・健康福祉に貢献できる人材を育成することを目的としました。
初日は、オリエンテーションを行った後、本学の附属病院薬剤部を見学しました。
2日目は、本学及び和漢医薬学総合研究所の紹介を行った後、6名の教員により、伝統医薬を中心とした資源開発、病態制御、臨床科学及び各領域の特別講義が行われました。
その後、遠藤学長を表敬し、富山の薬学を学ぶ意気込みを語りました。また、本学の学生や教職員を交えたウェルカムパーティーが行われました。
3日目は、6つのグループに分かれ、それぞれの研究室で最先端研究の体験実習を行いました。本学の日本人学生も、積極的にタイの学生をサポートしていました。
4日目は、本学の民族薬物資料館を見学しました。その後、地元の老舗「池田屋安兵衛商店」では丸薬製造を体験、地元を代表する製薬会社「廣貫堂」では資料館を見学し、薬都富山の歴史と伝統、そして「先用後利」の精神を肌で感じる1日となりました。
また、最後に富山市役所展望塔から見える360度の大パノラマで、雄大な立山連峰から神秘的な富山湾まで、わずか数十キロ圏内に繰り広げられる高低差4000メートルの世界を楽しみました。
5日目は、世界遺産五箇山を訪問しました。学生たちは、雪国富山の知恵と工夫を目の当たりにし、また生まれて初めて見る雪にとても感激していました。その後、金沢市内の兼六園を訪れ、北陸の美とおもてなしの心を実感しました。また、「金銀箔工芸さくだ」では、世界に1つだけのオリジナル箸づくりを体験し、北陸の文化と技を学びました。
最終日は、3日目に引き続き、それぞれの研究室で体験実習を行いました。その後、修了式で柴原所長から1人ひとりに修了証が授与されました。また、フェアウェルパーティーではタイの学生たちから、タイの伝統的な踊りが披露されました。
プログラムはあっという間に終了し、学生たちからは「ぜひまた日本に来たい。富山大学に留学し、最先端の研究を行いたい。」といった声が聞こえてきました。また、本学の日本人学生からは「今度は私がタイに留学したい。」といった声も聞こえ、本プログラムがタイの学生だけでなく、本学の日本人学生にとっても留学の第一歩となったことがわかりました。
「さくらサイエンスプログラム」により、とても有意義な国際交流の機会をいただき、また本学の教職員にとっても素晴らしい経験をさせていただいたことに、心より感謝申し上げます。