2014年度 活動レポート 第217号:首都大学東京大学院理工学研究科

2014年度活動レポート(一般公募コース)第217号

- ASEAN地域との国際連携強化を指向する共同研究・リーダー育成プログラム -
タイ・マヒドン大学とベトナム・ハノイ工科大学の大学院生・若手研究者との共同研究事業

首都大学東京大学院理工学研究科 教授 野村琴広

2015年1月19日から2月6日まで、さくらサイエンスプログラムによる招聘で、タイのマヒドン大学とベトナムのハノイ工科大学より大学院生や若手研究者を招へいし、化学コースの関連の3研究室(有機化学、有機合成化学、及び有機構造生物化学研究室)での共同研究・交流プログラムや学内主催の国際シンポジウムでの発表などの交流活動を実施した。

一行(大学院生7名、研究生1名、教員2名)は1月19日(月)成田及び羽田空港に到着後、シャトルバスでキャンパスのある南大沢駅に到着した。翌日はオリエンテーションやキャンパスツアー、ウェルカムレセプションを行い、午後は原島学長を表敬訪問した。

学長室での記念写真

21日は学内の研究設備見学や研究室紹介・設備見学を行い、午後には可知理工学研究科長を表敬訪問した。夕刻に学内の金の化学研究センター・春田正毅教授を訪問し、テーマ説明・設備見学会を実施した。終了後、内藤昌信先生(物質・材料研 主幹研究員)による招待講演(生物に倣うマルチマテリアル接着剤の開発)を実施した。

春田教授による研究紹介(金の化学研究センター)

22日以降は各研究室で共同研究プログラムに取り組み、担当の学生・教員と課題に取り組んだ。24日(土)はプログラムに参加している首都大の大学院生や国際センターの教員と一緒にお台場の科学未来館を訪問した。

研究交流活動の様子

科学未来館訪問(首都大の学生との交流活動)


29日は学内開催の分子触媒とファインケミカルズに関する国際ワークショップに参加した。この会議には、タイ(マヒドン大学やチュラロンコン大学)やベトナム(ハノイ工科大学)、マレーシア(マレーシア国民大学)、中国(科学院化学研)、インドから講師を招へいし、参加メンバーの指導教員に加えて翌日のシンポジウムに参加する学生・教員も加わり、今後の共同研究の可能性を熱心に議論した。

会議中の集合写真

日本側からは特別講演として東京工業大学の小坂田耕太郎先生、首都大からは代表者(野村)と小宮特任教授がテーマ紹介を行なった。参加者は約100名。

講演会の様子

1月30日は物理学コースと化学コースが企画する「国際交流プログラム:物理と化学で紡ぐグローバル人材育成プログラム」で、全員がポスター発表(及びショートトーク)を行った。生まれて初めての雪景色の下、熱心にポスターでの研究紹介・ディスカッションを行った。ポスター件数は約100件、参加者200名強。

雪の中での記念撮影

2月2日(月)夕刻に国際課主催で、帰国する留学生や学内学生と一緒にフェアウェルパーティーを行った。一緒に研究に取り組んだ学生や教員も参加し、記念撮影や懇談を通じて交流を深めた。

2月5日(木)の終了報告会で、各研究室での取り組み内容[タンパク質の調製法やNMR測定(有機構造生物化学研究室)、機能化学物質(クラウンエーテルなど)の合成と特性解析(有機合成化学研究室)、オレフィン系高分子の合成や不斉触媒の合成(有機化学研究室)]に関し、各学生から、周囲の学生のサポートもあり、順調に課題を実施した旨の報告と、日本滞在中に思い出に残った事項の紹介があった。

成果報告会での発表の様子

終了後は修了証の贈呈と記念撮影を行った。今回の機会を契機に、大学間での交流活動がより活発になり、共同での研究成果がより増えることをお互いに期待している。

集合写真