2014年度 活動レポート 第214号:立命館高等学校(1)

2014年度活動レポート(一般公募コース)第214号

韓国Korea Science Academy of KAISTの生徒と交流 その1

立命館高等学校

科学技術振興機構(JST)が主催する日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプログラム)事業の指定を受け、本校の交流校である韓国釜山Korea Science Academy of KAIST(KSA)から生徒8名、教員2名を1月25日〜2月1日に招致しました。渡航費も含め、すべての費用が国の予算でまかなわれる事業です。

その機会を通して、多くの本校生徒がKSA生徒と交流し、有意義な時間を過ごせました。KSAは韓国のみならず世界的に有名な英才科学教育高校です。本校との交流は2006年に教育交流協定を締結し、それ以来、お互いのScience Fairへの参加や1週間程度の相互交換の交流を行ってきています。さくらサイエンスプログラム採択のお陰で、例年にはない充実した取り組みを行うことが出来ました。

1月25日(日)、8名の高校生と2名の教員が関西空港へ降り立ちました。釜山からはたった1時間という短いフライトのため疲れはないものの、初めての日本での研修に皆緊張した面持ちでの到着でした。8名の内、4名は日本語をほぼ理解できる生徒がいました。
たった1年か2年しか勉強していないということに驚きです。憧れの国に来てくれたことが伝わってきました。バスで1時間余り、立命館高校へ到着。京都にいる5日間は本校生徒宅でのホームステイで、ホストファミリーと対面し、それぞれのご家庭へ送り出しました。

月26日(月)、バディー生徒とともに学校へ登校。この日は終日校内での研修です。オリエンテーションを行い、その後、校舎見学。9月に新キャンパスへ移転したばかりの立命館高校の校舎を見てもらいました。KSAは全寮制の学校で、とても高校とは思えない充実した施設の中で高度な科学教育が行われていますが、その彼らも新しい施設には興味津々のようでした。

その後、お互いの生徒による課題研究発表を行いました。KSA、立命館からそれぞれ2本ずつの発表です。立命館の生徒からの発表は、建物の形と振動の関係を調べた研究と、ツマグロヒョウモン蝶の適応戦略についての研究、KSAの生徒からの発表は、ルビジウム蒸気中における電磁誘導の研究と、細孔炭素による酸化還元の研究でした。その後、高校2年の理科授業に参加しました。

地学の時間に特別授業を組んでもらい、KSAの生徒も交えてのグループワークショップです。A4用紙1枚を切っても貼っても構わないという条件で加工し、それを4mほどの高さのところから落とし、いかにゆっくり落ちるかを競います。それぞれのアイデアを出し合って取り組みました。午後は日本語授業です。すでに日本語を理解している生徒とまったく初めての生徒が混在しているため、指導は大変でした。

放課後に「ヘビ型ロボット」ワークショップを行いました。立命館大学理工学部ロボティクス学科の馬研究室に協力をいただいての取り組みです。8つの関節を持つヘビ型ロボットの関節をどのようにコントロールすれば思ったように動かせるのかを学びます。立命館生徒10名ほどとともに、ここで学んだことを使って、4日目の放課後にグループ毎にコースを走破するコンペを行います。

ヘビ型ロボットのワークショップ

1月27日(火)、この日は終日、立命館大学での取り組みです。本校生徒は2名参加しました。午前中はSR(シンクロトロン)センターでの取り組みです。センター長の太田俊明先生から放射光についての講義を受けた後、SR放射装置オーロラの見学を行いました。見学においては、各ラインで行われている研究について、XAFSや微細加工、軟X線顕微鏡等の説明を受けました。

SR(シンクロトロン)センターでの見学

午後は、スポーツ健康科学部で、李知炯︎ 先生からの講義と施設見学です。施設見学では、床にかかる力や、関節の動き等を立体的に捉える装置を使った運動解析をするシステム体験をはじめ、興味深い施設を見学させてもらいました。将来、科学者や技術者を目指すKSAの生徒達にとっては、どれも興味深いものばっかりであったようです。
その後、立命館高校に戻り、放課後の時間帯で、希望者による剣道体験を行いました。