2014年度活動レポート(一般公募コース)第205号
タイ・ミャンマー・インドネシアから10名の若手教員が研修 その1
大阪大学
JST日本・アジア青少年サイエンス交流事業「さくらサイエンスプログラム」により、大阪大学は2014年12月4日~17日の日程で、タイ、ミャンマー、インドネシアから10名の若手教員を迎えました。
①招へい研究者の選定
本プログラムの一番の特徴は、招へい対象として教育活動を通じて長期的に若手学生に対して影響を与えることができるアジアの若手教員にターゲットを絞ったことと、さらに全ての参加者を公募で選出したことにあります。各参加大学を通じて7月に募集を行い、8月10日までに10名の定員に対し計41名の応募がありました。
出張などの理由により参加できなかった4名を除いた残り37名全てに対して、直接現地にて面接試験を行いました。面接は、これまでの研究業績の発表(15分)に加え、SSPでの活動計画(5分)、および質疑応答(10分)で実施され、その結果から10名の参加者を決定しました。この公募/面接プロセスは、本プログラムを物見遊山の一過性の招へいプログラムに終わらせず、将来にわたって優秀な学生を日本へ派遣することができる志高い若手教員を選定するためには重要だと考えています。
②研究室での研修期間
10名の若手教員はそれぞれ12月3日に1名、5日に5名、8日に4名が無事関西国際空港に到着しました。大阪大学に到着後、各々の専門分野に適した研究室に配属され、研修内容や日程についての説明をうけました。今回のプログラムで彼らが配属されたのは、生越研究室、桑畑研究室、宇山研究室、櫻井研究室の4つの研究室です。
研修中は研究室のメンバーらとディスカッションや研究を行ったほか、配属先以外の研究室や他大学へも訪れるなど、10日間の間に様々なプログラムが用意されており、各自の専門に関して知識を深めることができたようです。研修には、大阪大学工学研究科の三浦研究室、芝田研究室、南方研究室、伊東研究室、山下研究室をはじめ、京都大学を含む他大学の多くの研究室に御協力頂きました。
研究活動以外にも、ウェルカムパーティーの開催や、学生たちによるキャンパスツアー等、それぞれの研究室ごとに独自のプランが用意されており、滞在期間を通して彼らと積極的に交流を深めることができたようです。夕飯を共にする機会も多く、回転寿司やそば、てんぷらなどの日本食を振る舞った際には大変喜んでいただきました。
SSPシンポジウム
12月11日、大阪大学にてSSPシンポジウムが開催されました。応用化学専攻長の挨拶に始まり、10名の若手教員による自らの研究内容の発表と5名の特別講師による招待講演が行われ、教員、学生など多くの聴講者がこのシンポジウムに参加しました。
招待講演では、JSTのCREST、ACT-C、およびALCAプログラムの研究代表者である学内の教授3名(応用化学専攻2名、蛋白質研究所1名)に各プロジェクト研究の概要と将来展望をお話しいただきました。
加えて、日本の企業研究活動の紹介として、株式会社リガク、日本電子株式会社からそれぞれ講演していただきましたシンポジウムは午前9時30分から午後18時までと長時間にわたって続きましたが、質疑応答では最後まで活発な議論が行われ、充実した研究交流をはかることができたようです。このシンポジウムは来日した若手教員のみならず、聴講した日本人学生たちにとっても貴重な体験となりました。
③ 全体会議
シンポジウム終了後、レストラン「ラシェーナ」にて各参加者の懇親を兼ねて、今回のプログラムの総括および今後へ向けての全体会議が行われました。桑畑教授から乾杯のかけ声があがると、並んだ料理を手に取りながら、シンポジウム時の真剣な面持ちとは一転、終始穏やか表情で懇親会を楽しむ若手教員の姿が見られました。
各参加若手教員に、一人ずつ壇上に登って、今回の感想とともに意見をいただきました。全員が非常に本プログラムを楽しんでいることが伺われただけでなく、是非とも来年度以後もプログラムを継続してほしいという意見を多くいただきました。またそのための建設的な提案も多くあがっていました。また日本側の受け入れ教員からも様々な意見が出ました。
その後の自由懇談の場では、各々の研究室での過ごし方や、日本滞在中の出来事や情報について互いに話し合うなど、有益な時間を過ごすことができたようです。同時に、さまざまな教員や学生達との交流も生まれ、貴重な場となりました。