2014年度 活動レポート 第202号:大阪府立大学

2014年度活動レポート(一般公募コース)第202号

インドネシア・バンドン工科大学の学生を招へい

大阪府立大学 副学長・ 国際交流推進機構長・教授 杉村延広

本プログラムは、インドネシアのバンドン工科大学の学生を招へいし、大阪府立大学の工学研究科・機械工学分野の教員及び大学院学生による最先端の環境工学および生産工学関連の研究成果について発表およびディスカッションを行い、先端的の科学技術研究の紹介や本学の植物工場、堺地区の地場産業及び中京地区の工場見学などを通して、最先端の環境保全技術および生産技術の紹介を行う。

11月17日(月)【第1日目】ガイダンス、工学研究科長訪問など

午前11時に、バンドン発成田経由の日航機で、バンドン工科大学・Yatna教授と9名の学生が開催空港に到着した。その後、電車でホテルに行った後、午後1時ごろに大阪府立大学に到着した。今回のプログラムに関するガイダンスの後、工学研究科長および工学域長を訪問し、工学研究科および工学域の概要の説明を受けるとともに、バンドン工科大学概要の概要紹介を行った。

工学研究科長および工学域長の訪問

次に大阪府立大学のリーディング大学院プログラム(SiMS)について、松井教授から説明を受けた。特に、SiMSプログラムについては非常に多くの質問があり、具体的な授業の内容などについても質疑応答が行われた。その後、工学研究科・機械系専攻・杉村研究室の紹介を受け、1日目のプログラムを終了した。

リーディング大学院プログラム(SiMS)の説明

11月18日(火)【第2日目】大学施設見学および研究室見学

2日目の午前は、学内の教育研究施設のうち、工学研究科生産技術センター及び植物工場研究センターの見学を行った。生産技術センターでは、工作実習用設備の見学のほかに、ガラス機器の製作について、代表者がバーナーを使って簡単な工作を体験した。植物工場では生産されたばかりの新鮮なレタスをお土産に受け取った。

工学研究科生産技術センターの見学(CNC工作機械での加工の見学、ガラス工作実習)

工学研究科生産技術センターの見学(CNC工作機械での加工の見学、ガラス工作実習)

午後からは、工学研究科海洋システム工学分野・有馬先生、機械工学分野・菊田先生、同・伊藤先生の研究室の見学を行い、海洋ロボット、精密光学計測機器、倒立振子型パーソナルモビリティ車両の見学を行った。各研究室を興味深く見学し、質疑応答も活発に行われた。

工学研究室の見学

11月19日(水)【第3日目】学長訪問、高専訪問、懇親会

3日目の午前中は、奥野学長および辻理事・副学長の表敬訪問を行うとともに、懇談した。その後、工学研究科・航空工学分野の新井先生の研究室及び空力実験室の見学を行った。

午後からは、マイクロバスを利用して、大阪府立大学工業高等専門学校を訪問し、藤原校長、梅本副校長、葭谷教授、杉浦教授などの案内で研究室見学を行うとともに、ロボット工学に関する実験などで学生との交流を行った。その後、工学研究科・杉村研究室の学生と交流会を行った。

11月20日(水)【第4日目】仁徳天皇陵、堺市博物館、自転車博物館、大阪城の見学

4日目は、大阪及び堺市の歴史・文化・産業などを学ぶことを目的に、堺市文化観光局などの案内により、仁徳天皇陵、堺市博物館、自転車博物館を見学し、堺市の歴史および文化について、特に、堺市博物館では堺の鉄砲鍛冶などの歴史、自転車博物館では世界の自転車の歴史などについて学んだ。その後、大阪城の見学も行った。

自転車博物館の見学

大阪城の見学

11月20日(水)【第5日目】名古屋での産業技術記念館およびデンソー工場の見学

研修最終日は、午前8時発の近鉄特急で名古屋に移動し、産業技術記念館およびデンソー㈱善明工場の見学を行った。産業技術記念館では、日本の産業発展の基礎となった自動織機や自動車の設計、生産技術の見学を行い、日本の産業史における重要な部分についての理解を深めた。
デンソーの工場では、生産技術部、西尾製作所などの案内で、ディーゼルエンジン用燃料噴射装置の製造工程の見学を行うとともに、工場内の自然環境保全のためのビオトープの見学を行った。特に、ビオトープでは、地域の固有の魚の生息などの説明を受けた。熱心な質疑応答が行われ、ビオトープの目的などを学習した。

産業技術記念館(自動織機、自動車などの技術展示の見学)

産業技術記念館(自動織機、自動車などの技術展示の見学)

デンソー(株)善明工場(工場見学およびビオトープの見学)

まとめ

前半の3日間は、大阪府立大学、同高専の研究施設や研究室などを多数見学し、本学の教員や学生との交流も盛んに行った。後半の2日間では、堺市内、大阪市内及び名古屋市内の歴史や産業技術に関する博物館を訪問するとともに、複数の工場見学を行い、意見交換を行った。

5日間の研修は非常に短く感じたが、研修終了後のアンケート結果を見ても、どの招へい学生も今回の研修について非常に満足していたこと、また、このような研修をぜひ継続して行ってほしいこと、大阪府立大学をはじめとする日本の大学に留学したいこと、などの意見が書かれており、非常に高い評価を得ることになった。

最後に、今回の研修にご協力いただいた皆様に、このような機会を与えてくださったJSTに、深甚の謝意を表して結びとしたい。