2014年度活動レポート(一般公募コース)第201号
第11回高校化学グランドコンテストに台湾とシンガポールの高校生を招へい
大阪府立大学 理学系研究科教授 松坂裕之
本プロジェクトの最大の特徴は、全国規模の化学研究発表会である「第11回高校化学グランドコンテスト」 (10月25日、26日開催:於・大阪府立大学)に海外の高校生チームを招待し、日本の高等学校及び工業高等専門学校の生徒に交って研究発表と討論を行うとともに、コンテスト参加者による交流会に出席することを中核としている点です。
台湾およびシンガポール国内で開催された高校生による化学の研究発表会において優秀な成績を収めた Taipei First Girls’ High School 及びHwa Chong Institution, Singaporeから合計4名の高校生と2名の教員、および1名のコーディネーター(国立台湾大学)を招聘し、コンテストへの参加を含む約1週間のプログラムを実施しました。
同コンテストでは、研究発表と討論に加え、錯体化学の分野で世界のトップランナーの一人である北川進教授(京都大学工学研究科)による特別講演も行われました。
さらに、同コンテストに先立ち、同コンテスト主催校である大阪府立大学、大阪市立大学および同コンテストで優秀な成績を収めた高校(2校)を訪問し、最先端研究設備の見学に加えて、日本の高校生のみならず大学院生や教員と討論する機会も設けました。
招へいした高校生のみなさんが我が国の現在の優れた科学技術に間近に接するのみならず、将来の科学技術を担う若い世代同士が化学の研究を通して直接触れ合う機会を提供し、交流の輪を育むことができたものと考えています。
さらに特筆すべき点として、本プロジェクトによる招聘を契機として、台湾およびシンガポールで開催される高校生を対象とした国際イベントである Taiwan International Science Forum 2015(2015年2月4日~10日) 及び International Science Youth Forum 2015(2015年1月18日~22日) に同コンテストでの上位入賞校が各1校ずつ招待され、研究発表を行うことになったことが挙げられます。
今後、各々の国内で開催される化学(科学)研究発表の国際大会に相互に招聘し派遣するという双方向での交流をさらに進展させ、次代を担う海外及び日本の高校生たちの育成に資することが大いに期待されるところです。
今回、台湾とシンガポールの優秀な高校生を招へいして当プログラムを実施することができました。このような機会を与えて頂いたJSTに深く感謝いたします。
第11回高校化学グランドコンテスト
期日: 2014年10月25日(土)、26日(日)
主催 : 大阪市立大学・大阪府立大学・読売新聞大阪本社
会場 : 大阪府立大学
参加校 : 国外2校、国内40校
参加者数 : のべ680名