2014年度 活動レポート 第191号:電気通信大学(3)

2014年度活動レポート(一般公募コース)第191号

ASEAN4か国6大学の学生が低炭素社会に向けた我が国の先端科学技術を研修 その3

電気通信大学インターンシップ推進室特任教授 高橋謙三

さくらサイエンス交流事業の一環として、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシアのASEAN4か国の合計6大学から学業成績優秀で社会的な礼儀作法をわきまえた学生10名を選抜、2014年11月16日から21日までの5泊6日で招聘し、将来の低炭素社会に向けた我が国の先端科学技術を研修して頂きました。前回に続き、以下、研修日程の5日目と最終日の6日目に関する報告です。

5日目午前は、最初に、筑波市にある産業技術総合研究所のエネルギー技術研究部門を訪問、山地燃料電池材料グル-プ長から研究概要を説明頂き、招聘学生との間で活発な意見交換が行われました。
次いで王芳芳特別研究員、ジェフリーデベロ特別研究員から燃料電池の材料や性能評価に関する研究内容を聴講し、燃料電池の長時間運転や頻繁な起動・停止に耐える信頼性、各種炭化水素燃料の適用に対する耐久性の確保に向けた、運転時に生じる材料の劣化メカニズムなどの研究状況を見学させて頂きました。

産業技術総合研究所で山地燃料電池材料グル-プ長から研究概要を聴講し、意見交換

産業技術総合研究所で燃料電池材料研究室を見学、デベロ特別研究員の説明を聴講、意見交換


産業技術総合研究所燃料電池材料研究室で研究室員と記念撮影

午後は都内へ戻り、港区北青山のTEPIA(高度技術社会推進協会)先端技術館を訪問しました。近くには、2020年オリンピック・パラリンピック開催が予定されている国立競技場等の地域があり、招聘学生は我が国の文化・スポーツへの理解を深める機会も得ました。

TEPIA先端技術館では我が国の産官学の研究成果が体感できるように展示されており、水素層と酸素層を分離する電解質に魚の鱗のコラーゲンを使った次世代バイオ燃料電池や洋上風力発電などエネルギー問題の解決を目指す最新技術や視聴覚の応答可能なロボット技術が招聘学生の関心を呼びました。
またロボット技術のコーナーでは四肢増強を体験する学生もあり、本学が出品している多自由度筋電義手も招聘学生の関心を集めました。

TEPIA先端技術館を訪問

TEPIA先端技術館で参加学生が四肢増強を体験


同日夕刻並びに最終日の6日目は合宿先の八王子セミナーハウスで、研修全体の総括を行いました。研修の総括では、招聘学生の一人一人がさくらサイエンス交流事業に参加できたことを率直に喜んでおり、低炭素社会に向けた燃料電池の研究など、わが国の最先端の科学技術の一端を目の当たりに見て大変感激していました。

合宿先の八王子セミナーハウスで研修を総括し、反省会を開催

JSTから頂いた修了証書を参加学生一人一人に授与


合宿先最寄のJR八王子駅から成田空港に向け全員無事帰国の途へ

学生の大半が各大学でトップの成績を有し、本学初め我が国の大学への留学にも関心を示していました。また後輩にもさくらサイエンス交流事業を紹介し、広く知ってもらうとの決意を表明していました。
この総括の中で、JSTさくらサイエンスプログラムから予め送付頂いていた修了証書が本学関係者から招聘学生の一人一人に授与されました。最後に八王子セミナーハウスに近いJR八王子駅から招聘学生全員が成田空港へ直行、ほぼ同じ時間帯のいくつかの便に分かれ、無事帰国、帰国後直ぐに無事到着のメールを招聘学生全員からそれぞれ受信し、JSTへ報告させて頂きました。