2014年度活動レポート(一般公募コース)第190号
ASEAN4か国6大学の学生が低炭素社会に向けた我が国の先端科学技術を研修 その2
電気通信大学インターンシップ推進室特任教授 高橋謙三
さくらサイエンス交流事業の一環として、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシアのASEAN4か国の合計6大学から学業成績優秀で社会的な礼儀作法をわきまえた学生10名を選抜、2014年11月16日から21日までの5泊6日で招聘し、将来の低炭素社会に向けた我が国の先端科学技術を研修して頂きました。前回に続き、以下、研修日程の3日目と4日目に関する報告です。
3日目には最初に府中市にある東芝電力・社会システム技術開発センターを見学させて頂きました。このセンターではICTを使い地域のエネルギーの有効利用を図るスマートコミュニティ、再生可能なエネルギーによる発電、安全性の高い原子力利用、エネルギーハーベスタなど、低炭素社会とも関連の深い技術開発が進められており、招聘学生の関心を高め、センター職員の方々との活発な質疑応答がありました。
引き続き、2014年1月川崎駅前にリニューアルオープンした東芝未来科学館を見学しました。館内では同社で開発されてきた、暮らしを支える科学技術の歴史やアイデア、イノベーションにつながると期待される最新の科学技術について、英語による詳細な説明を頂き、研修生は積極的に質問し、また実演に参加して、科学技術の面白さを実感していました。
4日目には広大な播磨科学公園都市に展開されている理化学研究所の、世界最大の大型放射光施設SPring-8を訪問、施設全体を屋上から概観し、X線自由電子レーザ設備SACLA、巨大な円形のSPring-8 Storage Ringなど大規模な研究施設の一つ一つに招聘学生は皆関心を高めていました。
次いでSPring-8内部に設置された本学の分室における、先端触媒構造反応リアルタイム計測ビームラインBL36XUの実験状況を見学しました。
この分室では世界最先端の時空間分解X線吸収微細構造(XASF)計測技術を開発し、固体高分子燃料電池の普及を図っており、その一環として建設された先端触媒構造反応リアルタイムXAFS計測ビームラインBL36XUでの研究内容や実験状況を聴講し、招聘学生のそれぞれの専門分野に関連した意見交換を図りました。