2014年度活動レポート(一般公募コース)第170号
タイ・ベトナムの学生が「日本・組込み技術ツアー2014」に参加 その1
東京農工大学 工学部 情報工学科
2014年度、東京農工大学工学部情報工学科が主体となり、さくらサイエンスプログラムに応募しました「Japan Embedded Technology Tour 2014」というプログラムが採択されました。このプログラムは、10月19日~26日の8日間で日本の組込み技術に触れるといったもので、採択決定後すぐに応募ポスターを作成して、タイとベトナムの、当大学と大学間協定にある姉妹校の関連学部・学科に送付し、参加希望学生を募りました。
日本の最先端技術をこの目にできるということで極めて人気が高く、応募が殺到し、タイのマヒドン大学(MU)とキングモンクット工科大学トンブリ校(KMUTT)、そしてベトナムのハノイ理工大学(HUST)とFPT大学(FPT)といったトップクラスの大学から、特に成績優秀者の合計10人を選抜し、招へいの準備に入りました。
ハードウェア設計実習をはじめ、日立中央研究所、ルネサスエレクトロニクスといった最先端企業や、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、当大学の研究室の見学とともに、情報処理学会主催の組込みシステムシンポジウム(ESS2014)に参加し、最新の研究・開発動向を体験できるというものでした。
10月18日(土)の夜遅く、バンコク、ハノイ、ホーチミンをそれぞれ出発し、19日(日)の早朝に、タイグループは羽田に、ベトナムグループは成田に到着し、立川にある滞在先のホテルに集合しました。立川駅でSUICAを購入し、その使い方を説明した後、駅周辺の買い物情報などを伝え、翌日からのハードスケジュールに備えるために、まずは旅の疲れを癒すこととなりました。
20日(月)はハードウェア設計実習ということで、午前中は Verilog-HDL というハードウェア記述言語の習得を行い、午後は講師としてわさらぼ合同会社の三好 健文氏をお招きし、FPGAボードを用いたハードウェア開発実習を体験してもらいました。
さすがに成績優秀者だけあり、飲み込みが速く、三好氏も有意義な設計実習であったとおっしゃってくれました。この時に利用したFPGAボードは、参加学生各自のものとして持って帰ってもらい、帰国後も独学で実習を続けていってくれているものと期待しています。
FPGAボード
翌日の21日(火)には、午前中は(株)日立製作所中央研究所を訪問し、日本の電子技術の輝ける歴史とともに、最先端エレクトロニクスについていくつかのご講演とこれまでの数々の開発事例を紹介いただきました。
午後からは、日本の半導体産業を支えるルネサスエレクトロニクス株式会社を訪問し、組込み機器において最も重要となるさまざまなVLSIや、その開発環境などについて説明いただきました。
22日(水)は、「組込みシステムシンポジウム(ESS2014)」に参加し、その中でロボットを用いて技術を競い合う「ESSロボットチャレンジ2014」を見学しました。掃除機ロボットを用いて、障害物を回避して規定のコースを走行する時間を競い合う競技に関心を示し、熱心に見入っていました。
翌23日(木)にも ESS2014の一般講演やポスターセッション、企業セッションを聴講し、情報交換会では他大学の学生らと一緒に和気あいあいとした談笑をしていました。